第337話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その㊸

「…それにしても、美味しそう」

 ケーキの画面を見ていた杉村が、つい口にしてしまった。

「うん、どれも食べたくなるね」

 竹町も、同意するように呟く。どのケーキも、スマホの画面からつい食べたくなるくらいの美味しさが伝わってきた。

「本当に、そうですね」

 甘い物が好きな結にとって、このケーキはどれも食べたくなる。だが今は三人組に捕まってしまった神崎を助けるのが優先だ。

「次の方、どうぞ!」

 十分ほど並んだ後、結達は喫茶店の中へ入っていった。    

  

 喫茶店の中央のテーブルに、たくさんのケーキが並べられていた。

 先に入った客達が、わくわくした顔でケーキを選んでいく。他のテーブルに座っていた客は、ケーキの美味しさを味わいながら、楽しくお喋りをしていた。

 しかし、奥の方のテーブルに居た客はどこか違っていた。楽しそうにしていたのは三人だけで隅っこに座っていた女生徒は辛い顔で座っていたのだ。

「いました」

 入り口ですぐ周りを見回していた結は、小さな声を出す。神崎達は奥の方のテーブルに居たのだ。

「お客様、こちらへどうぞ」

 同い年の茶色のツインテールのウエイトレスが、結達へ声をかける。結達は神崎とは反対側のテーブルへと案内された。

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