第335話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その㊶

 その日は、結達に部活がなかったのが幸いだった。

 鞄を持った結は、杉村と一緒に学校を出る。杉村はスマホを見ながら、竹町の元へと案内する。

「…ここは!?」

 杉村の足が止まったのは、幸坂坊のデパートだ。そのデパートは成宮グループが経営していた。

「さやちゃんは、八階の喫茶店の近くにいるって!」

 スマホを見た杉村の報告を聞き、結は上を見上げる。八階は飲食店が集まっている階だ。

「行きましょう」

 結と杉村は、夕方で人が多く出入りし始めたデパートへ入っていった。

 

 エスカレータで八階まで登っていった結と杉村は、すぐに案内図を見た。

 喫茶店は、エレベーターの近くにあった。そこへ向かうと、十人以上の行列が目に入ってきたのだ。

「大人気だね」

「今日からケーキバイキングが始まっているそうです」

 喫茶店の入り口のそばに、立て看板が置かれていた。そこにはケーキバイキングの開催を知らせるポップな文字が書かれていたのだ。

「藍ちゃん!」

 行列から離れた場所に、一人の女子高生が立っていた。

「さやちゃん!」

 鞄を足元に置き、右手にスマホを持っていた三つ編みの少女を見て、杉村はすぐ駆け寄った。

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