第333話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その㊴

「神崎さんが、成宮さんと一緒に食べるって言っていたから…」

 根津達の圧力に押されながらも、その女生徒はは必死で足止めをしている。その声を聞いた華は、笑みを浮かべながら根津達三人組の方へとやって来た。

「竹町さんの言う通りよ。神崎さんは私と一緒にお昼を食べるの」

 足止めしてくれていた女生徒―竹町を庇った華は、余裕の笑みで三人組へそう言った。

「そうでしょう?神崎さん」

 優しく、そして確信している華の声に神崎は小さく頷いた。

「じゃあ、行きましょう。竹町さんも一緒に」

 自分が来るまで神崎を守ってくれた竹町へ、華は可憐な笑顔で誘ったのだ。

「…え!?いいの!?」

「もちろん杉村さんも一緒よ。さあ、行きましょう!」

 華の一声で、状況が変わった。神崎は華の傍まで駆け寄ると、三人組の方を見ずに華へ「よ、よろしくお願いします」と震えた声で挨拶をした。

 その間、竹町は自分のお弁当を持ってきた。竹町が華の元へやって来た後、苦い顔をしていた三人組を残し、華達は落ち着いた様子で三組の教室から出て行ったのだった。    


 一組の教室に戻る途中で、華達は杉村と出会った。

 杉村は竹町を迎えに行くところだったので、竹町まで華と一緒に居たのに驚いた。が、華から誘われ今日は一組の教室で食べる事にしたのだ。

 教室へ入った華達は、すでに机を動かしていた結へ神崎達も一緒にお昼を食べる事を話した。

 結はすぐに、空いている机と椅子を探す。すると、満と流が「別の所で食べるから」と机と椅子を貸してくれたのだ。

 結達が礼を言うと、満と流は「気にすんな」と涼しい顔で教室から出て行った。二人の机と椅子を移動させた後、結は自分の席に座り、華達と一緒にお弁当を食べ始めた。

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