第326話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その㉜
夕飯を食べ終えた華は、広いリビングでテレビを見ていた。
長い裾と上半身にバラの花が刺繍されたワンピースを着こなし、長いソファに座ってハーブティーを片手で持ったその姿は、名家の令嬢に相応しい優雅な雰囲気を醸し出している。
そのテレビには、セーラー服の女生徒が友人を庇う姿が映し出されている。その前に険しい顔で立っていた別の女生徒は、後ろの方で青い顔をしていた友人へ厳しい言葉を浴びせていたのだ。
『小学生の時に私の従妹を虐めて、不登校にしたくせに!』
今でも従妹は外へ出れないほど苦しんでいるのに、虐めていた本人達は学校生活を楽しんでいる。
それが許せなかったから、中傷を学校中にバラまいて孤立させた。だが、主人公はそれでも友人から離れなかったのだ。
「…今日はこんな展開なのね」
華が見ているのは、大人気の学園ドラマだ。放送された次の日には、必ず教室のあちこちから「見た!?」と話題になるくらいに。
(結はこのドラマに全然興味がないのよね)
結が見るとすれば、ミステリーのドラマだ。華達が良く見る恋愛系などのドラマにもまったく興味がなかった。
(だから結は会話が続かないのよね。みんなと同じドラマを好きになればいいのに)
ドラマは、事情を知った主人公が友人をへ声をかけようとした場面で『続く』の文字が出た。
「…続きは来週ね」
きっと明日はこのドラマの話が出るだろう、と思いながら、華はテレビを消した。
「華、テレビを見ていたのか」
リモコンを目の前の大きなテーブルの上へ静かに置いた時、後ろから声をかけられた。
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