第324話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その㉚

「それなら大丈夫よ!うちの弁護士に頼めばいいわ」

「べ、弁護士っ!?」

 華からの思わぬ提案に、神崎は驚きの声を出した。

「そう!接近禁止命令を出してもらえば、もう絡まれる事ないわ。さらに学校側に頼んで、あの人達だけ特別室に移動させる、って手もあるわよ」

 前に『一組の生徒が、特別室で授業を受けることになった』という噂を神崎は思い出した。

「…そ、そこまでしなくても」

「ううん!神崎さんがそんな理由で結と友達になれないのなら、その人達を遠ざける必要があるわ!だから、結と友達になって、結に人付き合いの楽しさを教えてほしいの」

 もし霧島さんと友達になったら、あの三人組から解放される。神崎にとって救いの手を差し出されたようだった。

 だが、それは条件付きの救いの手だ。もし霧島さんと仲良くなれなかったら、成宮さんはあの三人組への処置を解除するかもしれない。

 だから神崎は、返事に迷ってしまった。自分が助かるために、霧島さんの気持ちを確かめないで友達になっていいものか、と。

「お待たせしました、ダージリンティーです」

 ウエストレスが、トレイに載せたティーカップを、丁寧に華達の前へと置き始めた。

「ありがとう」

 にこやかな顔で、華は礼を言う。

「あ、ありがとうございます!」

 神崎も、華に続いて礼を言った。

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