第323話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その㉙
「結は『一人でもいい』と思っているけど、それは小学生の時にイジメにあったからなの。だから神崎さんが友達になれば、結も一緒に遊ぶ楽しさを知って仲良くしてくれるわ」
霧島さんが、イジメにあっていた。神崎は少し目を丸くしたが、華は構わず続ける。
「隣のクラスだからって、遠慮しなくてもいいわ。それくらいグイグイいかないと、結は一生友達ができないもの」
ここまで華の話を聞いて、神崎は素直に「なります」と言えなかった。何だか肝心の結の気持ちをあまりよく考えていないような気がしてきたからだ。
「…成宮さん、今、私は同じクラスの人に絡まれているの」
ふと、神崎の口から別の話題が出てきた。
「もし私が霧島さんと仲良くなったら、霧島さんにまで迷惑がかかってしまうの。だから、友達になるのはちょっと…」
恩があるからこそ、霧島さんに迷惑をかけたくない。これが神崎の本心で、答えだった。
「そういえば結が、杉村さんと一緒に居た時にその人達の話をしていたわね」
昼休みが終わる頃、一緒に戻ってきた結と杉村の会話を耳にした華が、思い出したように言った。
「あの人達、私が痩せたのが気に入らないらしく、無理やりお菓子をたくさん食べさせてくるの。せっかく霧島さんのおかげで痩せれたのに、このままじゃ霧島さんに申し訳なくって…」
神崎の同級生達は、声をかけることが出来ない状態になっている。うかつに神崎に話しかければ、あの三人組からトゲのある言葉を浴びせられるからだ。
それが嫌だから、同級生達は遠巻きに見る事しか出来なかった。神崎はそれが分かっているので、ただ耐えるしかなかったのだ。
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