第317話 謎の美少女と、すぐ痩せるサプリ!? その㉓
浦から『友達じゃないのに、余計な事はするな』と圧力をかけられても、結はひるまなかった。
目の前の困っている人を見捨てるわけにはいかない。結の眼差しにはそんな強い意思が込められていた。
結と三人組は無言のまま、お互い一歩も引かない状態だ。神崎はどうすればいいのか、根津と飛騨の間でおろおろしていた。
少しの時間が流れた後、予鈴がなった。もうすぐ、昼休みが終わる事を告げるために。
「もうすぐ授業だよー!遅れて先生に叱られてもいいのー!」
それを聞いた浦は、勝ち誇った顔で宣言した。一組の生徒である結と杉村は、この二組の教室から出て行かなければならない。
「…分かりました。出直してきます」
少し肩を落とした結は、ここは引くことにした。結のその言葉に、根津と飛騨もニヤニヤする。
「神崎さん、もし何かあったら遠慮なく言ってください」
困っていた神崎の心へ届くように、結は神崎の顔を見ながらそう伝えた。
「何にもないから、もう構わないでくれる?」
根津が、結へ意地悪な口調で追い払おうとする。それに対し、結は受け流したのか特に動じていない顔で「失礼します」と一礼した。
「さやちゃん、私も行くね。もし、何かあったらすぐ知らせてね」
杉村も、結と共にこの教室から出て行こうとする。その時、根津達三人組へ牽制する視線を送りながら、竹町を案じる言葉を言った。
「うん、私は大丈夫。またね、藍ちゃん」
強い絆で結ばれた竹町と杉村を見て、つい『いいなあ・・・』と神崎は思った。
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