第318話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ⁉ その㉔

 その日の放課後も、神崎は根津達三人組に無理やり付き合わされてしまった。

 向かった先は、繁華街である幸坂坊の中にある有名なドーナツのチェーン店だ。三人組はドーナツを勝手に注文すると、六個のうちの三個を神崎へと押し付けたのだ。

 しかも、ちゃんと全部食べるまで三人で見張っていたのだ。しかも、周りから見れば楽しくお喋りしているように見せかけていたので、神崎はすべてのドーナツとジュースをお腹の中へ入れるまで解放されなかった。

 代金は三人組が「おごるね」と払っているので、食べ残しが出来なかった。ようやく三人組から解放されたのは、その店を出た後だった。

「明日も学校でねー!」と声をかけられたが、神崎は正直もう関わりたくなかった。無理やりお菓子とジュースをお腹の中へ入れるように強制されたから。

「…どうしよう」

 精神的に疲れ果て、明日もまた無理やりお菓子を食べさせられる、と思ったらますます気が重くなった。

 肩を落としながら歩いていると、歩道の横の道路にに一台の高級車が止まった。神崎はその高級車に気づかず通り過ぎようとしたが、

「神崎さーん!」

 明るい声に呼び止められ、神崎は立ち止まって周りをきょろきょろした。高級車のドアが開くと、同じ高校の深緑色の袖なしベストと白い半袖シャツの制服を着た、華やかな明るい栗毛色のロングヘアの美少女が優雅に降りてきたのだ。

「…えっと!?成宮さん…!?」

 噂に聞く、成宮グループのお嬢様に前触れもなく声をかけられ、神崎は先ほどまでの気分が吹っ飛ぶほど驚いたのだった。

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