第314話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その⑳

 神崎が、根津達三人組に絡まれたのは登校してきた時からだ。

 玄関で待ち伏せしてきた三人組は、すぐに神崎を取り囲んだのだ。そしてそのまま三人組は嫌がる顔をした神崎から離れずに教室へと行き、教室についてからも神崎から離れずにダイエットについて質問攻めしたのだ。

 さらに休み時間になっても、同級生と話す暇など与えないように三人組は神崎の元へとやって来た。ダイエットの他にも、料理やストレットなどをしつこく聞いてきたので、神崎は昼休みが始まった時にはだいぶ疲れてしまったのだ。

「神崎さんに声をかけようとしたら、根津さん達から嫌な言葉をかけられるから、どうしようと困っていたの。さっき、お昼を食べている時に藍ちゃんに話したら『霧島さんに言ったほうがいい』って」

「さやちゃんから神崎さんの事を聞いた時、これはほっとけない!と思ったの。霧島さん、これからその神崎さんの所へ行くから、一緒に来てくれる?」

 竹町さやかの隣に居た、ショートカットの黒髪に銀色のヘアピンを付けていた女生徒―杉村藍が真っすぐな目で結に同行をしてくれるように頼んできた。

「はい、もちろんです」

 迷うことなく答えた結に、竹町と杉村は同時に(よかった!)と安堵する。

 そして結は、竹町達と共に三組の教室へと向かったのだ。

 

「失礼します」

 結と杉村が、そう言いながら三組の教室へと入っていく。杉村は、結と同じ一組の生徒だからだ。

 別のクラスの女生徒が二人も入ってきた事から、一瞬、結達は三組の生徒達の注目を浴びた。結達はその視線を浴びながら、教室の後ろ側の隅の方の席に居た四人の女生徒の方へと歩いていく。 

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