第312話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その⑱

「…また始まったよ」

「…神崎、目を付けられたかも」

 教室の端に居た別の男子生徒達が、ひそひそ話をする。あの三人組が、神崎へ絡み始めたからだ。

 神崎はどう言い返せばいいのか、必死で考えていた。根津が先ほどからきつい目つきで、神崎を睨んでいる。

「えっ!?マジかよ!こわっ!」

 突然、真ん中の席で座っていた男子生徒が大声を上げた。

「どうしたんだ!?」

 鞄を持って、教室を出て行こうとした別の男子生徒が慌てて聞く。

「水かけ強盗が、また出たって!今度は別の学校の生徒が被害に遭った!」

 スマホを片手に、驚きと不安が混ざった顔でそう答えた。

「えっ!?何で分かるの!?」

「SNSで今、情報が流れたんだ!その生徒が創立記念日で学校が休みだったから町へ遊びに行ったら、被害に遭った!って!」

 そのスマホの画面には、地域のニュースの記事が載っていた。

 それによると『被害に遭った女の子は「町の中を歩いていたら急に後ろから水をかけられ、頭がびしょ濡れになってしまった後、後ろから引っ張られて取られた自分のバックから財布を抜き取ると、現金だけ盗んで逃げていった」と話していた』書かれていたのだ。 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る