第310話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その⑯

 小学生の頃から朝ご飯はまだ用意してくれたが、昼食と夕飯はほとんど自分が店で買ってきたものだった。その頃は美味しいが高カロリーなものばかり食べていたので、それで体重がどんどん増えていったのだ。

 だが、図書室にあった『簡単にできるダイエット用の食事』の本を読んだ後、これなら自分で作れる!と思って挑戦してみた。

 それで夕飯に簡単な料理を作ってみたら、思いのほかうまくいったので、一か月後には平日の弁当も自分で作れるようになったのだ。

 神崎が二か月で6キロ痩せれたのは、食事にも気を付けたからだ。これには神崎の両親も久しぶりに顔を見た娘がとても痩せていたので驚きのあまり、思わず病院へ連れて行こうとしたほどだ。  

 「痩せたうえに料理が出来るようになったなんて、すごい!」

 料理が出来るようになった神崎へ、右隣にいた別の女子が大声で褒める。神崎は照れながら「ありがとう」と返した。  

「いいわねえ。痩せて綺麗になったうえに、料理もできるようになったなんて」

 突然、教室の端からややトゲのある声が聞こえてきた。

 端っこの机に座っていた女生徒が、頬杖をついていた。黒髪のポニーテールで、ツリ目を神崎の方へと向けている。

「ほんと、入学していたころは、あたし達より太っていたのに」

 次にそう言ってきたのは、前の席に座っていた別の女生徒だ。こげ茶色のショートカットで、どこか不満そうな目をしていた。

「いいなー、いいなー。うらやましー」

 さらにそう言ったのは、最初に言ってきた女生徒の隣に座っていたもう一人の女生徒だ。ふわふわの天然パーマのセミロングの髪が印象的で、どこか人に甘えるような目をしている。

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