第304話 謎の美少女と、すぐ瘦せるサプリ!? その⑩

「まあ…、個人差がありますから、あまり過度に期待されないほうが…」

 念のため、結はそう話す。 

「何弱気になってるの!神崎さんが大成功したのだから、みんなも上手くいくでしょ!?」

 華は結へ自信を持たせるように、明るい声でウインクした。

 それでも結の顔は少し暗いままだ。もし期待通りの結果にならなかったら、この同級生達も文句を言うのかもしれない。つい、そう思ってしまったのだ。

「みんな結の事を必要としているのよ!それにみんなのダイエットが成功すれば、結も人気者になれるでしょ!?」

 結の不安を吹き飛ばそうと、華は勢いよく言い切った。

「そう簡単に人気者になれると思っているの?用が済んだら、もうそれでお終いになるのに?」

 楽観的な華を諫めるように、教室の隅から皮肉を含んだ声が響いた。

「根室さん」

 自席に座っていたボブカットの、結と同じ袖なしベストを着た女学生は、そこから立ち上がると早歩きで結と華に近づいてきた。

「霧島さんが慎重になっているのは、人によっては合わなくて失敗するかも、と思っているからでしょ?もしダイエットがうまくいかなかったら、霧島さんへ文句を言うんじゃない?」

 根室へそう聞かれた同級生達は、「そ、そんなことしないって!」と動揺しなから反論した。自分達が、恩を仇で返すひどい奴だと思われたくなかったからだ。

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