第288話 成績を上げる意外な方法 その139
「…成宮、変わっていないなあ」
同じようにフリルが多い服を着せようとした、と知った満はやや呆れ顔になってしまった。
「霧島の意見を聞かずに、着せようとしたのか…」
これには流も、同じ顔になった。小学生の時と、あまり変わっていなかったから。
「…な、なら!別の服でもいいわ!」
結からはっきり断れたのに、華はまだ諦めきれないようだった。スマホで別の服を検索しようとするが、
「華さん、皆さんは外見を変えていない私を認めていない、と思っているのですか?」
「―!?」
スマホを動かしていた華の指の動きが止まる。華は顔を上げて、周りを見渡した。
「…さっき作高さんを説得したのを見て、霧島さんはすごい、と思ったよ」
「普段から分からないところを教えてくれるし、霧島さんが頭がいいのは認めているよ」
友人達が、華へそう答える。他の数名の同級生達も、同意するように頷いた。 「外見が良くても、中身がダメダメなら興ざめじゃなくて?無理やりお洒落をさせる事ににこだわるより、ありのままの霧島さん自身を認めた方がいいんじゃない?」
根室の一言が、華へまた衝撃をもたらした。改めて『成宮さんは、霧島さんならではの良さを認めていない』と言われてしまったのだ。
「…!?」
また落ち込んでしまった華を見て、男子生徒達が根室へ抗議しようとする。しかし、満と流に止められ、男子生徒達は根室を睨みつけるのが精一杯だった。
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