第284話 成績を上げる意外な方法 その135
「自分は善人だ、と思っているから、根室からそうじゃない、と言われたのが応えたんじゃないか?今まで周りは成宮へはっきりと指摘しなかったからな」
幸澤市では絶大な影響力を持つ成宮グループのお嬢様である華の機嫌を損ねたら、良くない事が起こるのでは?と噂されていたくらいだ。それこそ、もし華の機嫌を損ねたら、その人物は必ず成宮グループによって何らかの報いを受けるのでは?と。
「…まあ、成宮グループの影響は強いからなあ。下手に言って睨まれたりしたら、ここで暮らせないかもなあ」
満からの意見に、流は両腕を組みながら言う。二人とも生まれも育ちも幸澤市なので、幼い頃から成宮グループの影響は肌で感じていた。
「でも成宮さんは、根室に対して何もしていないから、今までそんなに気にしてなかったのかな?」
「それは、霧島がその度に言い返していたからもあるな。まあ、成宮はそんなに我がままな奴じゃないしな」
華の性格が悪くないのは、満も分かっている。もしかしたら結に対しては身内と言う事で他人より気を使わなくていい、と思っていたのかもしれない。
しかし、それは間違いだ。『親しき中にも礼儀あり』という言葉があるように、身内だからこそ、ちゃんと気配りをしなければならないのだ。
そう会話していた二人の表情が、急に変わった。席に座っていた結が、立ち上がって華がいる方へと歩いてきたからだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます