第273話 成績を上げる意外な方法 その124

「作高さんがしたのは、良くない事ですから。この件で、学校側は二日間の停学を言い渡しましたから、これで作高さんはもうこのような事はしないと思いますよ」

「…停学!?」

 作高が厳しい処分を受けた、と知って酒井は驚いた。

「はい、今日の朝に作高さんはご両親と一緒に職員室に行って、ご両親がすべて明らかにしたのですが、その時作高さんはまだ反省してなかったので、重い処分になってしまったのです」

「…そうなんだ」

 そう聞いた時、酒井は結が心配になってしまった。もしかしたら、作高が結へ逆恨みをするのでは、と。

「作高さんは今、得意のメイクをさらに極めるための活動を始めたので、当分は心配ないと思いますよ」

 そんな酒井の心を見抜いたように、結はそう話す。

「…ええ!?」

 予想外すぎる作高の行動に、酒井はコンビニ中に響くほどの大声を出してしまった。

「作高さんは、今の自分の状況に不満があったから、あのような行為をしたのです。別の、正しい方法で解消できると分かれば、もうしないと思いますよ」

 結からの話に、酒井はただただ驚くばかりだ。(もしかしたら、霧島さんがそう説得したんじゃ!?)と思ってしまった。 

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