第259話 成績を上げる意外な方法 その110
結からの提案に、作高は一瞬「…なるほど!」と思ってしまった。お金をかけずにすむ方法なら、成宮華より支持を得られるかもしれない。
「ネットで情報を得るのもいいですし、学校の図書室にもメイク関係の本がたくさんありました。その記事が載っている雑誌も、何冊かありますので」
「…マジ!?」
スマホ以外でも情報が得られる、と知って作高のテンションは急に上がった。
「あと礼儀作法を身に着けると、さらに魅力が増します。正しいマナーを身に着けた方が、好感度が上がりますよ」
「!?」
好感度が上がる。この言葉に、作高はさらに食いついた。
「さらに今までの自分の行動を全部正直に書き出してみて『自分ではなく、別人の行動を観察してメモしてみた』と思いながら読んでみてください。それでなぜそう思い、そう感じたのかとことん考えて見るのも、理想の自分になれる一つの方法です」
理想の自分になれる。その言葉は作高にとって、今の状況から救ってくれる希望を与えてくれた。
「そろそろ予鈴がなりますので、もう教室へ戻りますが、よろしいでしょうか?」
昼休みが終わりに近づいている。それで結は教室へ戻る、と聞いてくるが、
「…!あ!うん!」
もうすでに、これから理想の自分になる事について頭がいっぱいだった作高は、結をあっさり解放したのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます