「お前と言うヤツは！！」

　カッとなって怒鳴りつけた作高の父親に、結の父親

が近づいて来る。

「君は酒井さんがアルバイトをしているから、お金を

持っている。そして悪い事をしたから、それを話さな

いためにお金を貰って当然だ、と思っているんだね」

「…！？」

　少し厳しさを含めた結の父親からの問いに、作高は

やや怯んだ。　　

「酒井さんがアルバイトをしているのは、家のために

働く母親を助けたいからだ。母親がこんなに疲れてま

で働いているから、自分も何か手助けしたい。そのお

金は、初めから君が好き勝手に使う権利などないんだ

よ」

　真剣な顔で、威圧感をかけながら結の父親は注意す

る。さすがに結の父親も、まだ罪悪感を感じていなか

った作高を見逃すわけにはいかなかったのだ。

「それに、君が脅すために使っていた二人の秘密は、

もうすべてご両親が知る事となった。よって、もう君

は酒井さんからお金を脅し取る事は出来なくなった。

それどころか、君がしたことはれっきとした犯罪なん

だよ」

「…は、犯罪！？」

　さすがに、作高は驚きの声をあげた。

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