第240話 成績を上げる意外な方法 その91

「そういえば、前庇ってくれた時に『学遊塾でのテストはいつも百点です』って言っていた…」

 京川が、思い出したように呟く。結は自分から成績を滅多に自慢しなかったので、作高のイジリからかばうためにわざわざ言ったのだと、と思ったのだ。

「…さすが霧島さんのお嬢さんです。人柄だけでなく成績も良いなんて」

 京川の父親が、『すごい』という顔で呟いた。娘を庇ってくれた優しさと、作高からの悪質なイジリに立ち向かう勇気も持ち合わせているからだ。

「…となれば、毎日夜遅くまで勉強しておられるのでは?」

 もう無理に勉強させない。と、決めたとはいえ、やはり成績が上がるコツを知りたい。そう思った京川の父親はついそう聞いてしまった。

「いえ、私は夜の十時半頃に就寝します。まあ、休みの前の日は少し夜更かししてしまいますが、それでも十一時頃にはベットへ入ります」

「…え!?」

 思っていたより早く眠っていた、と知って京川の父親は唖然とした。  

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