第236話 成績を上げる意外な方法 その87
「うちも、学遊塾に通わせようかな…」
今までの塾長とのやり取りを見ていた作高の父親が、ふとそう提案した。
「…ええ、塾長さんを見ていたら、いい塾だと伝わってくるわ。留美は今日で、今まで通っていた塾を辞めてしまったから」
それを聞いた京川一家が「えっ!?」と同時に驚く。
京川と作高は、その塾には小学生の頃から通っていた。京川は今年の中間テストが終わった頃にトラブルを起こしてしまって辞めさせられたが、作高はまだ通っていたので、まさか今日辞めさせられていたとは思わなかったのだ。
「…辞めたって、ホントなの?」
「うっさい!アンタには関係ないでしょ!!」
京川がつい聞いてくる。それに対し、作高は急に不機嫌な顔で怒鳴ったのだ。
「…京川さん、お聞きしてもよろしいでしょうか?」
「何?霧島さん」
「前の塾についてですが…」
無理に答えなくてもいいですよ、という気持ちを含ませた結からの質問に、京川は嫌な顔をせずに答え始めた。
「…私が塾を辞めたのは、作高さんから成績が悪い事を散々いじられたからなの」
「―!?」
初めて知る衝撃の事実に、京川の両親だけでなく作高の両親も同時に口を大きく開けて驚いた。
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