第235話 成績を上げる意外な方法 その86
「…はい、その通りです」
京川は、仕方がないと受け入れた。京川の両親もそれに抗議せずに、理解した顔で頷く。
「…ごめんなさい。私のせいで」
酒井は泣きそうな顔で、京川達に謝った。
「京川さん、元気になったら改めて来てくださいね」
歓迎しますよ、という顔で塾長は声をかけた。
「…い、いいのですか!?」
「はい!あ、そうそう今月分の塾の代金は、一か月の間のお試し期間が終わる前に辞めた、という事でお返ししますね」
学遊塾は、最初の一か月は『お試し期間』という期限をもうけている。これは、通う生徒がこの塾のやり方に合うのか確かめるためだ。
もし合わなかったら、その月の塾代は返す。それで他のやり方で勉強するための費用を賄ってください、という理由もあったのだ。
「…そんなのあり!?」
またまた信じられない光景に、作高は叫んでいた。
「我が塾では、ありですよ」
余裕の笑みを浮かべながら、塾長はそう言い切った。
「…学遊塾って、すごい!!」
生徒への待遇のあまりの良さに、京川は驚く。
「…うん!通っていた時、すごく居心地が良かったよ。落ち着いて、楽しく勉強できたんだ…」
塾に通っていた時の様子を思い出しながら、酒井はそう話した。
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