第227話 成績を上げる意外な方法 その78
「…もしかして、霧島さんのお嬢さんですか?」
先ほどとは打って変わった喋り方で、京川の父親は内心焦った様子で聞いてきた。
「ええ。京川さんお久しぶりですね」
穏やかな笑みで、結の父親は答える。そして、まるで京川の父親を知っているような反応だった。
「え!ええ!!大変ご無沙汰しています!うちの娘は霧島さんのお嬢さんと仲良くしていますよ!」
それに引き換え、京川の父親は慌てて取り繕う。結の父親にあまり悪い印象を与えたくないように。
「…何言っているの。霧島さんが学校で倒れた私を助けた時、お父さんは一言も霧島さんへお礼を言わなかったのに」
怒りと幻滅がこもった声で、京川は父親の嘘を非難した。
「それに私は休み時間も勉強しなきゃならないから、友達を作る暇すらなかったんだよ。どうして、そんな嘘つくの!?」
今までの不満や怒りが爆発した京川は、父親に向かって叫ぶ。恩人である結を、結の父親へこびへつらうために利用したのが、どうしても許せなかったのだ。
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