第225話 成績を上げる意外な方法 その76
「…大卒の人達が、仕事でいい思いをしている。貴方はそう思われているのですね?」
塾長は冷静なまま、京川の父親へそう聞いた。
「…アンタには関係ないだろ!塾をサボったというのに、怒るどころか庇うとは!」
常識が通じない!と言わんばかりに、京川の父親は怒鳴る。京川が怯えて震えると、結が静かに寄り添った。
「あの、店長。お客様が呼んでいます」
結達が話をしている時に来た、男子大学生のバイトが休憩室のドアから顔を覗かせながら言った。
「すみません、ちょっと席を外します」
レジへと向かった店長は、そこで何やら話をし始めた。客からのクレーム対応ではない、と知った後、店長は驚いた顔で、そのお客様を案内し始めたのだ。
「…すみませんが、話をしたいという方が来たので、ご一緒にしてもよろしいでしょうか?」
休憩室へ戻ってきた店長は、ドアを開けながらそう話し始めた。
「…ようやく来たか」
京川の父親は、酒井を見ながらそう呟く。
ようやく、非常識な行いをしたこいつの親へ苦情を入れられる。そう思いながら、店長に続いて入ってきた人物を見て瞬間、
「―き、霧島さん!?」
文句を言いたくなるほどの苛立ちが、驚きの叫び声と共に頭から出て行ったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます