第221話 成績を上げる意外な方法 その72
「話によると、前に学校で倒れた時も無理やり塾へ行くように言っていたとか。私としては、学校の保健室の先生が言っていたように、体調を考えて休ませるべきだと思うのですが」
塾長の話を聞いていた京川は、結が言った通りの大人だと思い始めていた。勉強よりも、生徒の体調を気遣ってくれる、優しい人なんだ、と。
「…し、しかし」
「酒井さんが身代わりで塾に行ったのは、京川さんを少しでも休ませるためだと私は分かっています。その後、二人でちゃんと勉強していたようですし。私はお二人を責める気など、一切ありません」
まだ納得がいかない京川の父親に対し、はっきりと塾長は、京川と酒井が行ってしまった行為を『絶対に責めない』と言い切った。
「…はあ!?」
常識では考えられない塾長のその判断に、作高まで唖然としてしまった。もしバレたら、悪い事をしたと厳しく叱られる。だから作高はこれをネタに、今まで酒井を恐喝していたのだ。
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