第214話 成績を上げる意外な方法 その65
「…私、塾に行ってなかったことを話す」
決意の目となった京川が、酒井へそう話した。
「―!?」
京川の決意に、作高は目をむいた。まさか京川が自分からバラすとは思いもしなかったからだ。
「明日、夏風先生に話す。もちろん、作高さんが今までやって来たことも、全部」
「…それって、私の事も?」
「もちろん!作高さんが大事な恩人を脅していたことも、全部話す!」
もう怯えや迷いがない顔で、京川は言い切った。
「…させっかあ!!」
作高が激高して、鞄を京川へと振りかざそうとする。だが、
「作高さん、先ほどの酒井さんへの会話だけでなく、昨日のコンビニでの出来事もすべて録音してあります!」
結が強い口調で言った言葉に、作高の動きが止まった。
「…はあ!?」
驚きと疑念が混ざった作高の動きをけん制しながら、結は酒井へと目線で合図を送った。
「…これ、霧島さんが」
酒井が店員の制服のポケットから取り出したのは、小型のボイスレコーダーだ。
「酒井さんがコンビニに戻る前に、父が仕事などで使っているボイスレコーダーで録音するように言いました。私のスマホにも、昨日の会話はすべて録音してあります」
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