第196話 成績を上げる意外な方法 その㊼
振り下ろされた参考書の束は、結の塾の鞄に当たった。
覚悟はしていたが、思いっきり参考書を叩きつけようとしていたため、結の腕にも予想以上の負担がかかったのだ。
それでも結は決して鞄から両手を離さなかった。目をつぶっていたため、京川の様子はまだ分からなかった。
「京川さん!?」
店員の女の子が悲鳴に近い声を出す。それを聞いて、京川は怒りから我に返った。
「霧島さん…!?すみません!!」
真っ青な顔で、京川は両手から参考書を手放す。もし霧島さんが怪我していたら…!?とパニックになってしまったのだ。
「京川さん、私は怪我していませんよ。鞄の中身も大丈夫です」
冷静な声で、結は鞄の中身を見せる。塾で使っているノートなどが無事だと知って、京川はホッとした。
その瞬間、京川はふらついてしまった。慌てて隣にいた店員の女の子が京川を支える。
「…なんで、アンタがここに!?」
助けてくれたとはいえ、いきなり結がコンビニの中へと現れたのを見て、作高は礼より疑問の声を出した。
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