「霧島さん、それは本当なの？」

　初めて知ったらしく、夏風先生はさらに聞いてくる。

「はい。昨日は鳥山さんが、京川さん庇ってくれました」

「そうなの。作高さん、どうしてそんな事をしたの？」

　理由が一つ分かったからか、今度は作高へと問いただす。もし結が言った事が本当なら、注意しなければならないから。

「………」

　作高は、すぐに答えなかった。どうやってこの場を切り抜けようか、と、考えているようだった。

「じゃあ質問を変えるね。京川さんに絡んでいる時、貴女はどんな気分だった？」

「…はあ！？」

　思わぬ質問に、作高は頭の動きが止まった。

「思い出してほしいの。その時どんな気分だったのか？って」

　作高を責めるために言っているのではないと、結は分かった。もしかしたら、何か原因があるかもしれないからだ。

「どんなって…」

　まさかイジっている時の気持ちを聞かれるとは思ってもなかったらしく、作高は唖然としている。

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