第183話 成績を上げる意外な方法 その㉞

「け、警察って!?アンタ、マジ!?」

「本気です。先ほどの店員さんへの恐喝とも言える行為は、さすがに犯罪だと思いましたので」

 怒りが吹っ飛ぶほど驚いた作高へ、結は本気な目で言い切った。

「警察が嫌でしたら、今すぐ学校の先生方へ相談させていただきます。本校の生徒が、友達とはいえ店員さんへ恐喝まがいの行為を行っていた、と聞いたら厳重注意だ

けですまない、と思いますよ」

 さらなる結の言葉に、作高は顔から血の気が引き始めた。もしそうなったら、親にバレて叱られるのが目に見えるからだ。

「…わ、分かったわよ!」

 コスメを置いたまま、作高はレジから逃げるように歩き始めた。

「何も買わなかったから、チクるんじゃないわよ!この陰険女!!」

 捨て台詞を残し、乱暴な足取りで作高はコンビニから出て行ったのだ。


「…お客様、申し訳ございません」

 作高が居なくなり、静かになったレジに居た男性店員が結へ頭を下げた。

「いえいえ、こちらこそ、お騒がせしてすみませんでした」  

「とんでもございません!うちの従業員を庇ってくださって、本当にありがとうございました!」

 反論すらできなかった店員の少女も、結へ深々と頭を下げた。

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