「ううん、田川さんが居なかったら、京川さんを助けられなかったよ」

　結も、鳥山と同じだとはっきり頷いた。

「ほ、ほら！困った時にはお互い様って言うし！」

　さらに鳥山から褒められ、田川は照れてしまった。

（霧島さんのおかげで、ボランティア活動の時に二人っきりで話せたし。今じゃ、あの時に事件を解決してくれてありがとう！って思うよ）

　鳥山からの好感度がさらに上がったので、田川は心の中で結へ感謝していたのであった。

「京川さんとお話ししたいのですが、よろしいでしょうか？」

　朝、二組の教室へ来た本来の目的を話す。

「分かった。僕らはここで待っているから」

　鳥山達へ一礼した後、結はゆっくりと京川が居る方へと歩き出した。

「京川さん、少しお話よろしいですか？」

　ビックリさせないように、なるべく落ち着いた小声で結は話しかけた。

「…！？霧島さん！？」

　問題が分からなかったのか、解答欄は空白のままだ。悩んでいたところに声をかけられ、京川は慌てて顔を上げた。

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