第170話 成績を上げる意外な方法 その㉑
「作高さん、メイクは派手でないかぎり許されているとはいえ、あまりしないほうがいいよ」
鳥山からそう忠告され、作高は一瞬、ショックを受けた。
「で、でもこれは昨日コンビニで買った新作のリップなのよ!」
慌てて叫んだ作高の唇を見た華が、気づいたように言った。
「それ、最新作のコスメでしょ?一昨日、全種類そろえたわ」
さらりと発言した華の言葉に結と京川以外の女子は衝撃を受けた。
「…全種類そろえたら、八千円くらいするよね…?」
「発売当日に、全種類買えるなんてすごい…!」
「さすが大企業の成宮グループのお嬢様…!」
高校生のお小遣いでは簡単に全種類揃えられないコスメを簡単に買った華へ、驚きの声があがった。
「~~~~っ!?」
余裕で欲しかったコスメを買いそろえていた華に対し、作高は悔しさで声が出なかったのだ。
「成宮さんと勝負するなんて、無謀だと思うけど…」
別の同級生が言ったその言葉に、作高はますます悔しい!という顔になった。
「こんな事になっていたとはなあ…」
二組の教室の外から覗いていた流が、緊張した顔つきでそう呟いた。
「霧島は、京川に会いに来たら、あの作高ってやつが嫌がらせをしていたから注意したってとこか」
同じく教室の外から覗いていた満も、状況を見てそう判断する。
流が、華が教室から出て行ったのを見て気になったので、後を追いかけたのだ。満は、流に「ついて来てくれ」と頼まれたので、念のため付き添うことにした。
そうしたら、前に会ったことがある鳥山が教室へ入って行くところが見えた。その後に教室の出入り口から覗いてみたら、鳥山と華が、結を侮辱した作高へ結のいい
ところを上げていたのだ。
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