第164話 成績を上げる意外な方法 その⑮
(今日は『僕らの戦国修行日記』の放送日。兎沢先生が主役の日です!)
『僕らの戦国修行日記』とは、夕方に放送されている児童向けのアニメだ。戦国時代のある大きな城で、自国の平和を守るために日々修行に励む侍と忍者達の物語である。
結の推しは、主人公達の師匠である兎沢恭介先生だ。
二十代後半で、文武両道なイケメン侍。生徒思いの優しい人柄で、人気投票で一位を獲得するキャラクターだ。
実は、結がこの塾に入るきっかけは、その作品が塾とコラボしたからだ。限定グッズに、描き下ろしの兎沢先生のイラストがあり、それが欲しくて入塾を決めた。
その時、結は小学四年生の時だった。それから一度も休まずに塾に通っている。
この塾の雰囲気は、結にとって予想以上に良かった。
いろんな考えを持つ生徒達の意思を尊重し、トラブルがあったら生徒達と共に考え、解決する。
進学塾だからって、やたらと勉強しろとは言わない。
のびのびと個性を尊重しながら、良い所を伸ばしていく。
最近、望ヶ丘高校に似ていることに結は気づいたのだ。
そしてこの塾は、同じクラスに居るからと、無理に仲良くしなくていい。
たまたま気が合った時に、ちょっと話をする間柄でもいい。
一人で居ても、何も悪いことではない。それを認めてくれる『学遊塾』も、結にとってありがたい場所だった。
「……!?」
ふいに、後ろから、腕が誰かとぶつかった。
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