第150話 成績を上げる意外な方法 その①
(…疲れた)
その少女は、ややふらつきながら幸澤市の中を歩いていた。
向かう先は『遊学塾』と書かれた建物だ。しかし、それは少女の意志ではなかった。
(…寝たい)
毎日ひたすら勉強させられ、今日からまた新しい塾へ行かなければならない。そうしないと、また両親に怒られる。
(…だけど、…もう限界。…頑張れない)
そう思った瞬間、少女の目に映っていた『遊学塾』の看板の文字がだんだん斜めに傾いていった…。
望ヶ丘高校は今、中間テストの返却が行わていた。
進学科である一年一組の教室は、最後に渡された自分のテストの点数がすべて書いてある紙を見て一喜一憂している生徒達がいた。
「………!」
その内の一人である日野沢満は、自分のテストの点数を見て少し驚いていた。
(中学時代より上がっている!)
数学は真ん中の点数よりやや下だが、その他の教科は真ん中より少し上がっていた。中学時代は、当時の担任から「もう一つ下の高校へ変更したほうがいいのでは?」
と言われてしまったくらいに低かったのだ。
だが、流と一緒に必死で勉強した結果、満は合格できた。満は塾に行ってなかったので、参考書などを貸してくれた流のおかげだと、今でも感謝しているのだ。
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