第146話 傷つける友人、助ける他人その84

 同窓会なら、今からさらに数年たっているから、終野さんはだいぶ落ち着いているはず!と華が思ったからだ。

 しかし根室は「本人は来たくないかもしれないわよ。まだ接近禁止命令が効いているかもしれない、って思うでしょ」と言い、さらに華へ「あそこまで酷い事をしているのに、必ず仲直りできるって思っているの?」と嫌味っぽく話したのだ。

 それに対し華は「同窓会の時だけ、それは無しにするわよ!」と明るく話す。でなければ、同窓会に呼ぶ事が出来ないからだ。

 それを聞いた杉村は「今はまだ無理だけど…、同窓会の時にもし来てくれて、会ったその時に決める」と華へ述べた。

 それを聞いた結は、仲直りできる可能性は絶望的ではない、と思った。他の皆もそんなに嫌な顔にならずに「その時に決めようぜ」と、話していたからだ。

 教室の窓から、爽やかな五月晴れの青空へ目を向けた結は、同窓会の時に良い結果になることを密かに願うのであった。


「傷つける友人、助ける他人」 ―完―

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