第139話 傷つける友人、助ける他人 その77
「カウンセラーの先生から、預かってきました」
丁寧に改めて持ち直した二通の封筒を、結はゆっくりと杉村と竹町へと差し出した。
「……!?」
真っ白い、ハガキ大の封筒に書かれたいた文字を見た瞬間、杉村は一瞬息が出来なかった。
『藍ちゃんへ』と書かれたその字は、終野が書いた字だったからだ。
受け取るのを躊躇していた杉村は、隣で座っていた竹町が受け取ったのを見て、やや震えた手でようやく受け取れたのだ。
「…さやちゃん!?」
不登校になるまで苦しめられた相手からの手紙を怖がることなく読み始めた竹町を見て、杉村も覚悟を決めて開いてみた。
「…!?」
―ごめんなさい
無地の、白い便箋の真ん中に、その一文が震えた字で書かれていた。
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