第135話 傷つける友人、助ける他人 その73

 続けて何か話そうか結が必死で考えている時、教室のドアが開いた。

「杉村さん、貴女の分のお土産あるわよ!」

 片手でランチボックスを持っていた杉村が、教室へ入ってきた。それを見た華が、すかさず声をかける。

「お土産!?成宮さん、どこか行ってきたの!?」

 自席へランチボックスを置いた杉村が、華の方へ歩いて来た。

「結もお土産があるの!ぜひ食べて!」

 再び沖縄のお菓子の箱を開けた華は、隣で京都のお菓子の箱を持ったままだった結の方も勧める。

「ありがとう!」

 杉村は笑顔で、華と結からのお土産を受け取った。

「私の分も、杉村さんが貰っていいわよ」

 教室の入り口から、こんな声が聞こえてきた。

「根室さん!?」

 もうそろそろ昼休みが終わりなのか、根室が教室へ戻ってきた。

「私はお菓子が嫌いだからいいの。それに杉村さんには、一緒に食べたい人がいるでしょう?」

 それを聞いて、華が何かに気づいた。

「…竹町さんの分も、必要だったわね」

 最近、よく杉村と一緒に居る、別のクラスの杉村の友人の分が足りなかったのだ。

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