第134話 傷つける友人、助ける他人 その72
「ありがとう、日野沢君、風山君!!」
結からのお菓子を食べてくれた二人へ、華は安心した顔で礼を言った。
「別に、本当に美味そうだったから」
そんな礼を言われるほどじゃない、と満はそう返す。
「…お口にあって、よかったです」
周りの反応を見て、結は安堵した。本当は、同級生達には旅行に行くことは話してなかったが、華がいつの間にか周りに喋っていたのだ。
旅行の事は話さなかった理由は自慢話になるから、というのもあるが、本当の理由は今回の旅行は『聖地巡礼』を兼ねていたからだ。
結の好きなアニメが京都を舞台にしているため、そのアニメの中に出てくる景色は実際の京都の名所をモデルにしている。
現地へ足を運び、アニメでそこが出てくる場面を思い出して思いを馳せる。結は旅行へ行っている間、心から思いっきり楽しんできたのだ。
大阪に行ったのは、別のアニメの専門店があったからもあるが、他にも大きな水族館などの観光地へ行きたかったである。
「霧島は京都が好きなのか?」
満からそう話しかけられ、結は「はい!」と答えた。冷静さを装っていたが、結は内心少しドキドキしていた。
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