第133話 傷つける友人、助ける他人 その71

「そうそう、結も連休に旅行へ行ったのよね!」

 お菓子を食べ終えた結は、突然華へそう話を振られても冷静に「はい…」と返事する。

「確か京都だったよね!?」

「ええ。京都だけでなく、大阪も行きました」

 五月の連休、結は家族で関西へと二泊三日の旅行へ行ったのだ。ちなみに三日目の夕方に返ってきた後、華の家まで行ってお互いお土産を渡していた。

「皆にも、お土産持って来たでしょう?」

 華のこのセリフに、結は「はい…」と頷く。

「お口に合うかどうか分かりませんが…」

 結が持ってきたお土産は、京都のお菓子だ。

 こちらはお米のお菓子で、一口サイズの焼き菓子が 二枚ずつ入っている。

 丁寧に和風デザインのお菓子の箱の蓋を開け、遠慮がちに差し出す。それを見た同級生達は、華のようにすぐに我先にと取らなかった。

「これも旨そうだな!」

 明るい声で一番先に取ったのは、満だった。

「ああ!これも旨そう!」 

 流も追加のお菓子に喜び顔でつまんで口にする。

「うん!美味い!!」

 満と流が絶賛したのを見て、他の同級生達も手に取り始めた。

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