第127話 傷つける友人、助ける他人 その65
まだ竹町が疑われていたと知った満は、どうにかして竹町の疑いを晴らしたいと思った。
だが、犯人を捜すには手掛かりが少なすぎた。結が何かを見つけたようだが、冬沢先生にすべて渡してしまったため、結から聞けなかったのだ。
それで、放課後冬沢先生へ聞こうとしたところ、結が鞄を持たずに出て行ったので流と共に結の元へ行こうとした。
しかし、結は職員室ではなく玄関へと向かったのだ。そしてスマホを操作して何かの準備を始めると、物陰に隠れてそのまま動かなかった。
まだ結の視界に入る前に気づいた満達も、玄関のすぐ近くにある中庭で隠れて、結と同じく息をひそめた。その方がいい、と流が判断したからだ。
それからしばらくして、周りを伺いながらやってきた竹町が、杉村の下駄箱の前で何か取り出していたのが見えたのだ。満は声をかけようとしたが、流から止められ、そのままこっそり様子を伺い続けた。
そして、立ち去ろうと竹町と、それを見て出てきた結がぶつかった。
結はいつものように冷静に、竹町へ自分のスマホを見せながら話し始めた。
それを聞いた二人は危うく驚きの声を出すところだった。何故なら、竹町が事件の犯人だったからだ。
しかし、結は竹町を一切責めなかった。何か訳があると思い、事情を聞いてきたのだ。
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