第124話 傷つける友人、助ける他人 その62

「それが、私を執着し続けてきたのと関係あるの…?」 

「多分、終野さんは約束を破り続けてきたご両親を信じられなくなったのだと思います。それで、友人と一緒に居ることで、心の傷を癒そうとしたのでしょう」

 終野はもう、親に対して期待すらしなくなったのだ。そして、その寂しさを埋めるために、友人を過剰に執着し始めた。

 だが、それにより絵里と杉村は、心身共に疲れ果ててしまったのだ。

 絵里は、終野が親の仕事の都合で転校したのと、周りの同級生達が気遣ってくれたからその束縛から逃れられた。しかし、杉村は高校生になってもずっと執着されたままだったのだ。 

 結と華が声をかけなければ、このまま執着されたままだった。杉村は、結達がいなかったら恐ろしい未来が続いていた事に改めてゾッとしたのだ。 

「…終野さん、寂しかったんだね」

 酷い目に遭わされたけど、終野の事情を知った竹町はそれを咎める言葉を言わなかった。

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