第122話 傷つける友人、助ける他人 その60
スマホの画面には、いくつかの文章が書かれていた。
それは、絵里が終野へ宛てた最後の言葉だ。今まで友人として過ごしてくれた事への感謝の気持ちが綴られていた。
そして『これからは新しい友人と過ごす』と伝えられていた。だからもう連絡は出来ないし、二度と会うこともない、と。
「…ちゃんとお別れしていたんだ」
一方的に遮断するのではなく、感謝を述べてから最後の挨拶をする。これだけで、今すごく幸せに過ごしているのが杉村達にも伝わってきた。
「…なんで!?家に行っても、居なかったし!!」
「それはご両親の仕事の都合で引っ越したからです。それをあえて知らせなかったのは、接触を避けるためだと思います」
興信所から送られて来た情報を、結は終野を刺激しないように伝えた。
「…なんで!?どうして!?誰もずっと友達になってくれないのー!?」
今まで目をそらしてきた現実をつきつけられ、終野はその場でへたり込んで泣き叫んだのだ。
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