第114話 傷つける友人、助ける他人 その52

「…これで、いいよね?」

 そう聞いてきた女生徒は、怯えながらそう聞いてきた。

「まだまだあ!次は霧島結の教科書とノートも、真っ黒に汚してね♪」

「―!?」

 次の命令に、女生徒は言葉を失った。

「だってえ、藍ちゃんと離れ離れになったのは、あの霧島結の仕業だもん!だから懲らしめてやらないと!」

 なぜこんな事になったのか、まったく自覚すらない終野の身勝手な言い分に、女生徒はさすがに『抗議したい』と思い始めた。

「その次は、成宮華ね!でもまあ、霧島結が嫌がらせされたのは、自分のおせっかいが原因だって知ったら成宮華も少しは傷つくよね♪」

 罪悪感すらない終野を見て、女生徒は決心したのだ。 

「…もう、出来ないよ!終野さん」

 勇気を振り絞って言った女生徒に、終野は急に怒りと悪意に満ちた目で睨んだ!

「…はあ!?何言ってんの!!」

「もう、こんな事は、したくないの!」

「ならこれネットにバラまかれていいの!?」

 終野が制服のポケットから取り出したスマホを操作し、ある写真を突き付けた瞬間、

「―なっ!?」

 突然、横から、竹町以外の手が伸びてきた!

 そして、その手は動揺していた終野から、スマホを奪い取ったのだ。 

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