第79話 傷つける友人、助ける他人 その⑰
授業がすべて終わり、掃除も早々と終わらせた後、終野は教室へ戻ると自分の鞄へノートを入れ始めた。
体育の授業から、一度も『藍ちゃん』に会えなかったのだ。制服を届けた時は、保健室の先生がその制服を預かった後、なぜか終野を保健室へと入れてくれなかった。
お昼休みの時も、保健室の先生はお弁当を受け取った後またまた入れてくれなかった。それで、すぐ外に出て、保健室の窓から何度も覗いたのだ。
しかし、保健室のベッドにはどこにも『藍ちゃん』の姿は見えなかった。確かに、保健室へ運んだというのに…?
どこへ行ったのか疑問に思ったが少し考えた後、終野は閃いた!
『藍ちゃん』のスマホは、制服のポケットの中にある。
それなら、電話をかければいい!と思いついた終野は早速電話をかけた。
だが、何度かけても、電話は通じない。もしかしたら、電源が切られているのかもしれない!?と終野は慌てたのだ。
『藍ちゃん』のスマホは、まだ充電しなくてもいい。こっそりと何度もそっちのスマホの画面をのぞいて確認しているから間違いない。
全然繋がらないことに、とうとうイライラしていたその時、
「終野、こんな所でなにやってるんだ?」
ふいに男子の声がした。顔を上げてみると、同級生の男子が二人、立っていたのだ。
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