異世界の神をぶった斬って何が悪い? 〜女神に鍛えられた俺は神キラーとして異世界転生する〜

速水すい

序章終焉世界

終焉世界

とある黄昏時、夕飯が恋しくなる頃。


異様を知らせるかのように、サイレンが鳴り響く。この世の終わりのような重低音を防災無線から馳せていた。



やべぇ、呑気にぼーっとしてる場合じゃねぇ。



少年は焦って帰り道を走った自宅に着く頃には、辺りは火の海だった。少年は玄関のドアを開けた。



「父さん!! 母さん!!」


直ぐに飛び込んで写ったのは、死んでいる両親。言葉にならない感情が浮き上がり沈んだ。



少年は本能的に逃げる様に後ろを振り向いた。玄関のドアを開けて再び外へ出た瞬間である。



ビュ――――!!



"何か"が突風の様に通り過ぎた。

冷や汗がじんわりと滲む頬、いや気の所為だと目を擦り前に一歩進んだ。






ピチャ。



水が弾く音がした。路地の方を見た。

視界に写りこんだのは血飛沫がバッと赤い色で外壁染めていた。




今度は目の前で逆巻くように風は強く吹いた。



"何か"は目の前で一気に集まり、狼姿オオカミで姿を現した。そして少年は何かを思い出した。




今日は真っ直ぐお家に帰って、遊ぶ予定だったんだ。ある少女と。ちくしょう、晴れてリア充になれるはずだったのに。




悔やんでも仕方がないが、少年は少しばかり苛立ちを滲ませる。まぁ、美少女だだったらいくらでも死ねるから獣は嫌いだから逃げるか。





少女との約束の場所は、都市の中央。まぁ生きてるかは分からないけど、そこへの距離は二キロ先である。体力的にはまぁ大丈夫だろう。



「犬、変態な俺様を喰えるか知らないが――――こい!!」

「きゃん」

「はぁ!? 嫌だって言うのか!!」

「くぅん」

「あ、それとも美少女外伝犬雑誌がこちらにあるがどうする?」

「ガルル!? ガゥガゥ!!」



取引成立、よし逃げてやるこの雑誌は擬人化あるかなって思って拾ったけど雌犬だらけでな。



「行くぞ! 回避助走エロ本を見るには素早くステップが大事!!」


少年は軽やかな謎の回避でどうにか撒いた。ただ走るだけだが、地味にしんどい。



目的地には何とか辿り着けたけたが―――。



軽く紹介すると少女は少年の後輩、怪力ある女の子。小学生でダンボール片手、中学からは両手に三箱、鍛えたわけじゃないその細い腕とかけ離れた力の持ち主だ。故にモテないぼっちになってしまいいつも一人。

そこでぼっち変態紳士先輩と知り合う流れで今回は遊ぶ流れだった。



「誰が変態紳士だ!!」



罵声の拍子で空を見上げた少年の視界に飛び込んだのはだ。




ふむ、とうとう頭までイカれちまったか。

変な獣から始まり、天使が迎えに来たか。



―――え?



ファンタジー類を思わせる服装の小柄な少女が一人目に写る。天使にしては羽が白くない。

羽ばたかせながら、地に降り立ち、少女の赤い眼差しだ。




「さぁ、終末崩壊を引き起こした。 竜ヶ崎龍騎りゅうがざきりゅうきどうする?」

「まてまて、まだあの世には行けない」

「なんじゃ!? 話を折るでは無い!!」




少年は悟り過ぎてお迎えに来たと認識した。竜ヶ崎龍騎は俺の名前であり知ってるのは疑問しかない。全知全能の天使様なら朝飯前か。




「誰が全知全能じゃ!!」



罵声を上げた天使なる少女、気持ちは分かるが初見で名を知ってるのはキモイ。



「新手のストーカー?」

「誰がストーカーじゃ!! 世界を終わらせるラグナロクじゃ!!」

「あー、そう言う設定ね。天使ちゃん」

「な!? 妾を天使というのか!!あと、設定って言うな!!」

「悪魔的要素ないからな。違うの?」

「ぬぐぐ!! お主! 妾をそんな愛でるまなしで見るでは無い!! 断じて違うのじゃ!!」


天使ちゃんはなんか弄りがいある。本当に敵なのか? という疑問点。



「それよりも―――」



少女は静かに指を鳴らした。目の前に現れたのは、少年が探していた少女富岡光とみおかひかるである。



「探し物は手に入ったのじゃ」

「あ、悪役に転じた!! 最低だ!!」

「何が最低!? わ、妾の仕事じゃこれ!!」

「可愛いのに」

「か、可愛いじゃと!? 貴様、それ以上妾をデレさせるなぁぁぁぁ!!」

「切れた!? あわわわ!!」



天使少女は複数の攻撃をしてるので、

少年は仕方なく黒鎖を手に握り振り抜いた。



バキン!!



黒鎖は別方向へ飛ばされてしまう、なにかの障壁に当たった様な音だ。軌道が逸れてビルに的中してしまう。



「仕方なく戦うのはやめい!! 全力でやるのじゃ!!」

苦笑いをうかべながら「えー」っと少年は言うと天使少女は「えーじゃない!!」っと突っ込まれる。



少年はビルに飛んだ黒鎖を引っ張り、ビルを倒壊させた。――――轟音が鳴り響く。



白煙が舞い上がり、砂煙が視界を奪う。

その隙に少年は、上空に飛び上がる。



光をどうにかして取り返さな―――。



少女は先回りしていたのだ。黒い羽を羽ばたかせて、右手には黒い稲妻を走らせ、魔法陣みたいな紋章を回転させていた。



黒稲妻波動ブラックサンダー・プラスト!!」



少年は後ろを振り返るまもなく、波動を背中に喰らい地面に強く叩きつけられた。



少年は全身に痛みが走り、動くことは出来ない。息を吸うのさえ苦しい。死んだな俺。

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