蛇足というタツのざまぁは長く、NTRに巻込まれた奴等の末路

タツ/ヒロのクリスマス(前編)〜付き合って1回目のクリスマスはロマンチック打ち上がった

 私は付きあった…とうとう付き合ってしまった。


 10月ぐらいか?何か付き合う前後にとてもごちゃごちゃしていたが、正直あまり記憶に無い。

 このままでは若いうちにボケるな…今度、街作りゲーム用の方眼用紙にでも書こう。


 それにしても私の好きな小説、最後は寝盗られ悲しみに暮れる主人公を支えた女の子とのハッピーエンド…それはクリスマスだ。

 スマホを弄りながら読み返す…コレだろ?間違いないわ。


 もう付き合ってるのにハッピーエンド?

 甘いっ!私はハッピーエンドのその先に行く…クソスライム先輩の様にハッピーエンド風終わりのままこの世から消える馬鹿とは、違うのだよヌフフ。


 勝利とは踏襲と奇襲の緩急である。

 ヒロは24日いつものようにヒロの弱点当てゲームの後、『また明日な』と言った。つまり?

 『今晩、滅茶苦茶にしてやるよ』である。

 

 何度も言っているが、クリスマスイブに何もしないなんて頭のおかしいカップルと頭のおかしいアイカだけである(タツの経験比)


 明日はオシャレするとして、今日は対魔忍スタイルだろうな、今思いついたけど間違いない。


 ただ、披露宴だってお披露目前に一張羅見せるだろう。だから例の白いモフモフのついたコート、そして白いブーツを装備する。そう、最強ボタン押すと勝手に装備されるやつだ。

 あぁ可愛さが迸ってるわ…


 この格好を見て永井のおっさんは『お!?私服はダサダサのSSRア○ギ?www』とか言ってたけど、あんな嫁に手綱を握られた俳優ロボと世間の評価は逆の筈だ。


 良しっ!いざ出陣!と思って外に出ると、同じクラスのクソ眼鏡が変身ヒロインだか騎士なんだかよくわからん馬鹿みたいな格好で歩いていた。

 とにかくハイレグ・グローブ・ブーツ・マスク・マント=頭がおかしい。

 赤と白のクリスマスカラーだ、何だコイツ…歩く気狂いクリスマスか?

 まぁこんな奴は無視だ、無視。

 ヒロ宅まで2〜30メートル、変なものを見たな、馬鹿に関わっているヒマは無い。

 

 ヒロ、今行くぞ!対魔忍のプライベート…と言ったところか?

 眼鏡と横並びで並走する…何だコイツ?

 カートゲームだったら弾き飛ばしてるぞ?

 そのままヒロ宅に入ろうとすると馬鹿も並走して来た。

 あぁヤダヤダ…スリップストリームだよ、並走、もしくは私の後ろにピッタリ付いて速度上げようとしてる。どこに行こうとしてるのか知らんが弱者が1位を取りたくて必死だ。

 

「お義母さん、お邪魔する」

「おば様、お邪魔します」


 このままカートゲームのノリで付いてこられたら堪らん!玄関で始末するっ!私は一人分だけスルリと入り玄関のドアを全力で締めて挟むことにした。

 

「フンッ!死ね眼鏡!」バタンッ!シュワっ


「フフフ、藤原さん、それ幻よ…」


 眼鏡が霧散した…と思ったら私の前にいた…コイツッ!!!こういうのが1番ムカつく!

 ムカつきすぎて玄関で足払いをしかけるが、飛んで避けられた。

 一瞬、某レースゲームの土管兄弟の弟が、よし男こと私の投げた亀甲羅をジャンプで避けたのを思い出し、怒りで血管がキレそうになり、超高速で空中にいる眼鏡をのど輪した。

 コイツ死なないからなぁ、指を私の手と首の間に挟みやがったが、とりあえず首の骨を折ると少し動かなくなるらしい。首折確認ヨシっ!折ろう。


「アレ?タッチャン、デートは明日でしょ…アレ?吉川さんも?2人して玄関で何やってるの?ちょ!?タッチャン!?首絞めちゃ駄目よ!?」


 く、審判が来てしまった…何とか説得を…


「お義母さん、勘違いしている。皆を笑顔にするため害虫を殺すだけ。あとコイツは死なない。一匹いれば三十匹」


『おば様、このデカい山から降りてきた熊人は快楽殺人者です。早く猟友会に連絡を、このままでは玄関が私の糞尿で大変なことに…』


 カァァァァァ!?眼鏡トラップ!アイカと違うのはこのバカは平気で嘘をつき人の評価を下げに来る軍師(謀略)タイプな所だ…


 もういい、以前はお義母さん狙い撃ちだったが今や本命はヒロだ、私はあくまで本丸を落とす!

 てか眼鏡は何しに来たんだよ、スリップストリームなら他のやつでやれ!


 眼鏡を玄関に投げ捨て階段を上がろうとすると、また並走して来た。

 懐かしいな…去年の今頃、ヒロと2人で階段を並走しながら覗いたな、イカと気持ち良い馬鹿の濡場を。

 あのときはドキドキしたなぁ…1〜2年ぶりにヒロに密着したからな。


 しかし眼鏡と2人で階段並走って有り得んだろう?何を見るんだよ?

 ヒロと誰かの濡場を私が見んのかよ?ネコクサ?

 そして眼鏡と俺が百合!?カァァァァァっ!!


 考えただけでムカついたから、とりあえず階段の上から眼鏡を投げるように突き落とした。

 お義母さんが下で騒いでいるが大丈夫、眼鏡は死なないよ。

 しかしハイレグマントの変身ヒロイン風・馬鹿が階段から転げ落ちる姿は滑稽だな、これぞ根多家の階段落ち(笑)

 

 眼鏡のせいで段々、目的か分からなくなった。

 とにかく何だっけ?ヒロを…夜這しにきたんだっけ?

 その後まさか眼鏡が同じ目的地、ヒロ本体と知り、この世から消失させるべく全力投球しているうちにヒロを使ったバイオテロをされ、幻覚を見ているのかと思ったらイブか終わってた。


 とりあえずクソ眼鏡のせいでクリスマスイブが台無しになり、殺したい気持ちで一杯のまま、ヒロ宅で根多家の面々と眼鏡とケーキを食ったのは何となく覚えている謎のイブになった。


 とりあえず深夜、根多家のリビングで意識が戻った瞬間に眼鏡を根多家の浴槽に荒縄で簀巻きにして突っ込んだ。

 私と同じ性質を持つなら根多の残り湯で力を発揮できない筈だ。

 溺れて死ぬなら眼鏡は本望の筈だ、クソスライム先輩によると眼鏡は戸籍無いらしいし。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 そしてやってきた!昨日までの事は全て無し!

 初めてのクリスマス♥

 エロい事はまぁ?しているがそういう問題ではない♥

 私程の(偏った)恋愛小説マスターになると、ツリー!イルミネーション!夜景でキ、キスッ!

 この日が待ち遠しくて堪らんかった!


 この日の為に対眼鏡忍スーツではなく、お給金で買った(いつもの)白いコートと白いブーツ、そして中には母親のタンスから奪った赤いセーターと白の巻きスカートをゲット!

 出来る女はクリスマスカラーで挑む!

 試着した時に少年探偵団の一味かのような母親のサイズの為、少し小さかったがまぁ問題ない。

 NTR母が『ちょっとそれじゃギャルみたいだし…ねぇ、ブラは?ブラしないの?ちょっと!?』とか言っていたが、何言ってんのか良く分からない、探偵はいつも意味深な事しか言わず答えを言わない。

 

 待合せはツリーの前だ!焦って15分前行動してしまった。

 緊張しちゃってさ、もう汗だく!皆が待ち合わせツリー前だけに人がなかなかいるな…私はとりあえずコートの前を開き風を送り込みながら朝ごはん抜いてしまったから持ってきたバナナ食しコーラを飲む。

 周りが見ているな、芸能人じゃないぞ?(笑)


「これから戦いとなればバナナ、コーラ(強炭酸)、おじやとお粥があれば完璧だったな…」


 そんな事を思ってるとヒロが走って来た、クリスマスの日に遅刻とはサプライズかな?


「ホントごめん!てか何でこういう日に限って早くも出るの?普段待ち合わせに絶対遅れてくるのに…それにこれからご飯食べるにバナナとコーラって…てゆーかヘソ出しミニスカ?え?乳首?」


「コラ!ヒロ、これからクリスマスデートなのに無粋なツッコミは駄目ダゾ♥それよりヒロ、今日は素敵なパーカーだな!」


 キマッタ!昭和のトレンディ返し、コレでヒロは陥落した。勿論返しは今日は一段と可愛いと来るはずだ。おめでとう私、ありがとうサンタ。


「何だよ、素敵なパーカーって…タツもいつもの白いコートだな。まぁ良いや、とりあえず不安な気持ちになるから前締めて。じゃあどこでご飯食べようか?今日はタツの好きなもん食べて良…」


 いつもの白いコート!?まぁ待て、戦は始まったばかり。謎の占いで急に撤退する三国志の戦とは違うからな!


「任せろ!今日はタツプロデュースのクリスマスコースだ!しかもワリカン!ヒロが去年まで無理していたと知ってな、題して私のリラックリスマスだ!さぁ付いてこい!こっちだ!」


「え?昨日、今日で既に色々と起きているから不安が…後、でっかい声でワリカンって言うな…」


 小説にはイタリアンと書いてあった。イタリアン、間違いない所を知っている。食通は常に行きつけを用意する!


「ここだ!おい、店員さん、久しぶりだな!?」


「おい…ここって皆で揉めたあん時のサイゼ…」


「うわぁ、アンタ達!?藤原さん所の…頼むから前みたいな滅茶苦茶はやめてくださいよ…」


 やはりな、やはり私は常連…すでに名前を覚えられている。

 ヒロは店員に90度お辞儀をしている、流石に礼儀正しいな、ヒロは。

 入った時の反応が違う。私も緊張したが馴れ馴れしく挨拶してよかった…


「ま、まぁタツらしいし、ファミリーだから…その…家庭的な感じだよな。リラックスは出来る、落ち着けるし、変に緊張しないしな、安心感が違うな…お詫びの印に沢山食べよう…な…」


 お、ヒロからお褒めの言葉を頂いたぞ!何か同じ事繰り返された気がするし、詫びがどうしたとかは気のせいだろう。

 ヨシ!では早速道場一のエスコートを見せてやらう!


「じゃあ早速、私がドリンクバーをヒロの分まで「しなくて良い」


「よし、店長呼べ!メニューの端から「呼ばなくて良い、頼まなくて良い」


「腹が冷えたな、あ、漏れそう、ちょっとトイレに「行かなくて良い!違う!今すぐ行け、早くっ!」


 ふ~ん、トイレに行きながら思った。

 ヒロもエスコートしたいのか…そうだよな。

 しまったな。ムムム…

 男の誇りを傷つけたかもしれないな。

 私は即学び吸収し、転進する。退却ではない!本物の転進を見せてやろう!

 『引くことを覚えろカスっ!』と言われてもカッとならないぞ!

 敢えて静かに引いて芋のように動かない。


 さぁここからが私の恋の神算鬼謀の始まりだ!

 何だったらラブホから出るところ…撮って見ろ!



※お待たせしました!お待たせしてないのかも知れませんが、相変わらずタツは勝手に話が進むので楽です。タツコメント返しも、再開するっす。

 




 

 


 


 


 


 

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