タツ/ヒロのクリスマス(後編)〜付き合って1回目がコレかよ…でも後何十年もあるからな勘弁してやらないことも無い

『ポチャ――――――――――――――ン』


 素晴らしい獅子落としの様な音、まさに一本糞…

 さて、男をたてる…これはいかにすれば良いか?

 私は考える…そして知らない、彼氏がいた事が無いからだ。建てる、点てる、男を勃てる…

 勃てた…といえばヒロのだけ、それも最近までオールイン尻だった。長考する…


 ウーン…ウウーーン…コ…


 私はトイレで追い詰められていた。

 やはり…異界の力を借りるしかない…か。

 ポーチからコケシペンケースを召喚する…異世界の知恵頼みだな…しかし残念ながら馬鹿コケシを引いた…


『どうした負け犬、貴様…敗北を知りたいのか?』


「馬鹿が、様に用事なんぞある訳もなく、異世界のNTR卿に用事があったが…貴様なんぞはこうだッ!」


 フキフキ…ズブンッ!


 フンッ…やはり勝利への道は自らの切り開かねばならないか…

 何も思いつかずトイレでコケシを尻に突っ込んだ状態でボーッとしていると外から声から声がする。


「お客さん、何でトイレの中で騒いでいるんですか!?終わったら出てくださ〜い!」


 煩い女性店員だ…トイレとパパの胸の中ぐらいだぞ?泣いていいの…は…


 ふと心のなかで店員に悪態をついていると、私の視界に、かの軍神・上杉謙信が用いたとされる車懸りの陣…私の糞がまさに車懸りの陣を敷いていた…


「へへ!コレだっ!やったぜヒロ!これ頂きだ!」


 私は素早くトイレから出る、女性店員が立っていた。


「トイレに籠もって騒ぐのはやめ…あ!?トイレ流してく下さいッッ!!!」


「お前が外で騒ぐから基本動作を忘れた、出す、拭く、流すが、出す、拭く、お前が騒ぐになったので」


 まぁこんなところで店員と揉めてる場合ではない!私の軍略、それは車懸りお囃子!

 ヒロを褒めるんだ、それもとめどなく褒め続ける事によりヒロはビンビンになり、私もクリスマスの為に一週間は禁欲してるからもうビンビンでウエヘヘヘェェ♥


 つい鼻の下が伸びアソコがクネクネ、ペンギンみたいな歩き方になり店員が驚愕していたが無視して席に戻ろうとすると…席に誰かいる…


 ハァンっ!?

 クソスライム先輩がヒロの向かいに座っている!?

 しかも外着の何かファーがフワッフワッの高そうなコート着てる!?

 何クソスラ、転生したらクソスラじゃなくてコヨーテかよテメー!

 あの浮気一人相撲、旦那持ちなのにクリスマスに何考えてんの?うちのNTR母といい、ヒロ肉棒は欲求不満人妻を魅了で撲殺マンしたいの?

 ヒロはNTRという病に侵されてしまったの?


 とにかく事によってはクソ千代を座席の後ろからいきなりチョーク決めて落とそう…落とした後、すぐ社長に連絡して景色の綺麗な田舎の病院送りにしよう。あぁそうしよう。


 コソコソコソコソコソコソ…


「………………だからヒロよ、お前もハーレム形成しろよ。面倒くさいんだよ、もう。タツだろ?で、アマテラス、後、敬天の暗転とシモとカミ、それに今問題になっているネコ、戻ってきたらアイカもさ、その辺りで集めてさ。そんだけ居りゃもう無敵何だから。まぁタツとアマだけで大概潰せるんだけどな?んでさ、獅子川に雇って貰って不知火入ってさ、マシロを支えてくれても良いし、マシロもヒロとだったら将来、不知火やっても良いなんて言っててさ、逆にヒロとは絶対敵対したくないなんてな、なぁ、頼むよ?なぁなぁ?」


「嫌ですって、ハーレムってなんなんすか?俺、つい先日まで浮気されてたんすけど…それ踏まえて絶対嫌です。後、冷静に考えてそのメンバーでハーレム形成する利点がありません。タツが怒るしタツだけで良いです、お腹一杯です」


「タツなんてさー、ヒロがハーレムしたい言えば歯軋りと脱糞しながら『分かりました』っていうよ?アイツ、ヒロの言う事なら何でも聞くだろ?どうしょうもねぇやろうだよ…」


「だから嫌なんですよ、千代さんだって孫一さんの言うこと何でも聞くじゃないですか?てか、孫一さんクリスマスも仕事だし、マシロ君もチカちゃんも遊びに行って暇なんでしょ?俺もタツとデートなんすよ、俺に絡まないで下さいよ…後、早くこっち向いてるこの黒い布被せた不穏な大型動物みたいなの連れて家に帰って…」


 クソスライムがペラペラ喋り、ヒロが淡白に…しかし私への深い愛で返す♥

 クソは私が注文したポテトフライをモシャモシャ、私の作ったドリンクバーを捨てて、勝手にコーヒー入れて来て飲んでる…それに鎖の先に何か真っ黒の布被せた大型犬みたいなのがいる…何考えてんだ?ファミレスだぞ?


 さて、そろそろクソスライム殺すかと思いまして、首に腕をかけようとした所でヒロが私に気付いた…私は空いてる手で口に手を当て「シーッ♥」のポーズをしながらクソスライムの首を腕でチョークスリーパーかました。


「社長の奥さん!淫乱浮気現場発見!奥様は社長の金で遊び歩くボンクラ令嬢!火遊び写真は既に撮った!死ねぇ!」


「ガッガガッダヅゥ!?はなぜ…でめぇ…でだらめ…まごぐんにいっだら…ゴロ…が!?…ネゴォ!?…」


 ガタタタッブァァァッッ!!


 ん?黒い布のかかった暗黒騎士専用の馬みたいな謎の生き物がヒロに飛びかかった。

 まぁ動きが遅いからヒロなら対応出来るかと思ったが…一瞬、ヒロ側から見たら中身が見えたのか、ヒロが目を見開いたと思ったらそのまま布に包まれた!?えぇッ!?


「ネっ!?ちょっ!やめンブっ!ンオォ!?」


ブチョクヂョブチューッ!カチャ!カチャカチャ!シュシュ〜ビチャッ!グチャグチャ!

 

 ヒロのパニックになった声と共に、変な水音やら何かガチャガチャ…


「おいっ!おおいっ!!ヒロっ!?クソスライム!早く手綱を引っ張れよ貴様ぁ!何しやがった!?」


 とりあえずクソスライムごと、怪しい大型動物を引っ張りヒロから引き離すッ!!

 フンッと引っ張ったと思ったら、既に失神したクソスライムだけがこっちに来た…あっさりと手綱を離しおったわコイツっ!!


 すると中で暴れているであろうヒロの下半身が一瞬見えた…膝まで下がっているズボン…ヒロのジュニアは剥き出して何かベトベトした液体がついていた!ヒロがヤバい!助けねば!


 ガッシャアン!サーーーーーーズボッ!


 クソ千代は、投げ捨てた拍子にカートに乗りそのままダストボックスに入っていった。

 それはともかく、ソファを飛び越えまずは一撃!そしてこの変な大型犬みたいの…一撃で葬るっ!


「貴様ぁ!?私のヒロに何をしてい「ウゴクナッッ!!」


「ウンコケシィ…ウゴケバ…コノ…チ○コ…パテデ…カタメテ…クソマミレニ…ㇲルゾ!」


 ……ん?何か喋った?何?生き物…気持ち悪いな…すると急にモゾモゾ動いた…



「ネコッ!いい加減にしろっ!」


 ……………急にヒロの怒声が聞こえた…ネコ?これネコなの?中で何やってんのかな?

 

 「だって!ヒロさんが!ヒロさんのせいで私は!責任取ってくださいよ!」


「何でだよ!?俺は関係なムブッ!?ハムっ!ブ…ヌフッ…」


 「ンーっ!ンッ♥んん♥」「ンオっ!?ンアっ!」



 …………いい加減にしろおぉぉぉッッッ!!!


 布を剥いだ時、衝撃的な映像が目に飛び込んだ。

 まず、ピンクだった筈のネコスーツが赤と茶色と黒の混ざった悪魔的なカラーになっている事…。

 そしてヒロに覆い被さりネコが思いっきり口吸いを…更にヒロはネコの乳首をコスチューム越しにゲーセンのコントローラーとボタンに見立て、過去に『格ゲーヒロちゃん』と呼んでくれ(自称)とか意味分からない時期の乳首レバーの持ち方をしていた。


 待て待て、浮気現場?クリスマスに?デート中に?黒い布被せて?えぇ!?


「浮気だあぁぁぁ!!!」


 私は叫んだ!


「ぷはっ!ご、誤解だあぁぁぁぁっっ!!!」


 ヒロも叫ぶ!


「ん♥ンヒイ♥う♥ウンコケシィッ!死にぇえぇぇぇ!!!」


 ネコは涎を垂らしながらトロンとした目で叫ぶと同時に尻にから出ている尻尾をこちらに向けた!


 危険だ!超高速でクソスライム先輩のダストボックスから飛び出た足を掴み、クソスライム盾にした。


 厶!?あの尻尾から何か出る気配!


 私の本能が素早く尻尾の先端を掴みクソスライム先輩の盾の鼻の穴に挿し込んだ。


 刹那…ビチイイイイイイイイイイっと変な音と共にクソスライムの鼻の穴が膨らみ、もう片方の鼻の穴と口から臭い何かが出た!

 直後の顔を抑えてたうち回るクソスライム…


「ゴアアアアアァァァァっっ!!??グザっ!?グザイッ!!ナンデ!?ワダジごんなんばっばりい!オエエェェェ!!!」


「チイィッ!?気付いたか!?撤退しゅるっんヒィッ!?♥」


 ネコが逃げ出そうとした所で、ヒロが両乳首を引っ張る、ヒロ!?まだプレイ続行するの!?


「ネコ!弁解していけっ!浮気とか言われたぞ!」


「い♥嫌でしゅねっ!♥おミャエラにこわしゃれたしぇいしゅん!♥クリシュマシュ♥いつかかにゃらず報復しゅる!♥」


 ネコの噂は聞いていた、何か人生上手く行かないのを我々のせいにしていると。

 最も酷い噂は、ネコはそれなりにモテるらしいが告白してきた男性を闇討ちし、今のクソスライムのように鼻から自らのクソを流し込むらしい。

 まぁ…贔屓目にみても頭おかしいやな…


「ネコ、お前…そんな格好で夜な夜なこんな事してんだろ?頭おかしいんじゃないか?」


 私は正直に伝えた。ヒロもビックリしている顔してるが、何もおかしくあるまいに?

 ネコは怒った顔で『フーッ!』とか言ってる…人間辞めとるなコイツ…

 

「ネコ、もしかしてだけど彼氏の条件に自分のウンコが大丈夫な奴探してるのか?それだったとしたら頭おかしいぞ?後、お前のウンコ流し込まれて平気なやついねーから。」


 正確にはネコじゃなくて誰のでも同じだけど、まぁ強く言っとこう。こんな感じでネトに同じファミレスで頭おかしいって言われたな…そーいや。


 何か尻尾から少しビチビチって出てる…クセェ…ここファミレスだぞ…


「おっ♥おふっ♥お前がぁっ!♥言うなぁっ!!」


 ネコはヒロの乳首拘束を引きちぎらんばかりに仰け反り、ドン引きしたヒロが手を離した…


「お、お、お、覚えていろっ!ウンコケシィ!」


 ガシャァァァァン!


 窓ガラスを割ってネコが出ていった…今日は…私のクリスマスデート何だが…ヒロはいそいそズボンはいている…ウーン…コ…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る