タツ〜いつもの白い世界から旭が昇る…ラブコメに神話とか関係ないし?

 またまた、いつもの白い世界に来た。

 よく覚えていないけどヒロの仕業だな!?

 ヒロは時々飛ばすんだよなぁ…真っ白な世界…


 身体をふわふわさせながら前回の白い世界を思い出す。

 あれは…ホテルから出てきてNTRを疑われて、お泊りした時だなぁ…



 あの時は…白い世界で小さい男の子に会ったんだ…悲しそうだったな。

 

『僕はいつまで耐えれば良いのかな?いつまで好きでいれば良いのかな?本当に好きなのかな?何でこんなことしてるのかな?』


 良いんだよ、耐えなくて。好きじゃなても良いんだよ。道場、いや世界のタツと言われる私が何とかしてやるぞ!好きに我慢なんて必要ないぞ!


『それに…ずっと好きって決めてたのに…僕は裏切らないって決めたのに…他の女の子の事が好きになっちゃったんだよ…そんなのおかしいよね?』


 ムムム…今の私を考えれば…返事に困るけど…でも…そうだなぁ…好きだった女の子が君の事を好きじゃなくなったら、その女の子に迷惑かも知れない…それに新しく好きになった子がもし君の事が好きだったら嬉しいと思う!恋は戦争だ!(笑)


『でもさ?でも…それじゃあ、いつか皆、好きじゃなくなっちゃうの?何回も…ずっとくっついたり離れたりするのが普通なの?』


 そ、そんな事無いと思うけど…でも皆が皆、同じじゃないから…好きじゃなくなる事はあるかもしれないなぁ…


『じゃあ僕は…こんなに辛いならもう人を好きにならない方が良い…好きになって裏切られるなら…もう好きになりたくない…皆もそう思わないのかな…』


 それは違うんじゃないかなぁ…まぁ私は…だけど。


『なんで?』


 私はず~っと…好きだから。今も、昔も。彼の事が…覚えていないぐらい、むか〜しからず~っと。好きだから頑張れるんだよ、例え私の方を向いていなくてもね。こっちを向くまで、嫌われない様に静かに…ずっとね…


『じゃあさ、▲●なら信じていいの?きっと色んな事があるよ?それでもずっと好きでいてくれるの?約束してくれるの?』


 どうだろう?人はそれぞれ違うから。でも…きっと色んな事を乗り越える為には…人でも趣味でも好きって気持ちが無いと乗り越えられないと思うから。どんなものでも、好きにならなくなったら何も出来なくなっちゃうから…私はね。


『そうなの…じゃあお姉さんなら…どんな事でも乗り越えられるの?その人の為なら…どんな時でも好きでいられるの?』


 分からない…だけど戦い続けるぞ!ㇶ□とラブコメするんだ!だから…私を見ていてくれ!


『分かった…見ているね…今まで通り…ずっと…ずっと…』



 ―――――――という事があった。

 あれはそうだな、ヒロの部屋で私を縛り上げて、一緒に寝ていて、悪戯しようと思ったらいきなり襲いかかってきた時だよなぁ。

 あの時はブッとんだなぁ(笑)


 そう、あの時…私は人として堕ちる所まで堕ちたと思った…例えばアイカが改心してしまうと、ヒロはそういうのに弱いから、子供の時から自分が責任を取るってうるさかったから…多分許しちゃうんだ。

 でもヒロはずっと見てくれていたんだ…私の弱点を探してただけかもしれないけど…それでも…

 だから…戻らなくなるように全力で…既成事実を作り、その後も24時間に近い形でつきまとった…もう戻らないように…私の方を向くように…私だけを見るように…やっている事は…NTRだな…



 しかしまぁ今回は異世界転生じゃなくてまた白い世界か…良かった良かった!

 あの子供、子供の時のヒロに似て可愛かったな。

 また会いたいなぁ…と、思ったらあの声がした。


『お姉ちゃん、久しぶりだね…』


 おう!この間のちびっ子だな?今日はどうしたんだい?


『お姉ちゃんは…全部知ってたのかな?こうなる事も…お姉ちゃんは…知ってたのかな?』


 

 ん?なんだ?何か様子が…うぉッ!?


 ヒロにそっくりな子供…何で血塗れなの!?

 違う…これはヒロがブチギレた時になるやつだ…

 大丈夫?どうしたの!?な、何を?何を知ってたって?


『僕は…良かれと思って…僕の嫌いな…不条理に立ち向かえるように…我慢出来る様に…立ち向かえるように…大事な人達だから…皆の悪い所を直せるようにやっていたけど…違ってたんだね…勘違いしてた…みんな…ごめんなさい…』


『結局…◇○▲は僕のやっていた事を勘違いして…□◇と一緒に悪い人達に良いように使われて…結局皆…辛い目にあって…ねぇお姉ちゃん…僕は間違えていたのかな?▲●の事も…きっと間違えてる…何がトレーニングた…間違えていたんだ!ねぇ!お姉ちゃんっ!教えてよ!』


 あぁ…子供の時のアレか…あの意味不明トレーニングか…間違えてるかどうか…お姉ちゃんはよくわからないよ…


『僕が間違えているなら…僕が責任を取らないと…でも…僕がどうにも出来ない時は…どうすれば良いんだろうね…命をかければなんでも出来ると思ってたんだ…だけど違ったんだね…だから最後に…▲●に…そう、に聞きたいんだ…正しかったのか?それとも間違えていたんだろうか?…お前は何故付いてきてくれたんだ?』



 私はヒロがいなければ…1人ぼっちだったよ…友達も出来ず、阿修羅の家に呑み込まれて、家同士の争いに使われていたよ…ずっと言われていたから…闘い、敬われ、率いて…また闘い…それに結婚、何でも言うことを聞けって。ヒロに会えたから…『イヤだ』ってだけでも言えたんだ…

 ヒロがいなければ…私達の学校はイジメや学級崩壊が起きていたよ…アイカもネトもやりたい放題、もしかしたらもっと酷い事に巻き込まれたかも知れない…私は中学も高校も行ってないだろうし…土橋も改心しないし…ヒロがいるって聞いたから入った私の楽しい高校生活も無かった…

 

『でもアイカやネトは…あんな事になってしまった…タツはどうだったの?本当に…俺の事が憎くないのか?もしかしたら違う道があったかも知れないよ?』


 血の涙を流しながら…子供のヒロが私を見る。

 

 憎い訳が無い、生き甲斐で…愛している人…憎む訳無いよ…私の嫌いな事、怖いことをやり続けたのは…ヒロの愛情って知ってるから…私の知らない私だけを見てくれたから


『それじゃあ僕の愛情を全部受け止めてくれるの?』


 あぁ…ドンと来い!ドンと来…え?


 ヒロの周りに大きいカエル…他にも虫に幽霊、ゾンビ的な何か、虚無僧マン…分かりうるおぞましいモノが現れ始める…後退りしてしまう…

 幽霊や虫が喋る…


『結局そうだ…アイカやネトでも届かなかった…化け物の如く忌み嫌われ!しかし虫の如く力無く!周囲は敵だらけだ!それでもまだ…普通の道を…こんなでも好きになれるか!?』


 虚無僧マンもなんか言ってる…


『阿修羅の…破壊の化身と言われ…何でこんな…優しい奴がそんなモノに…巻き込まれるんだと同情し…助けるんだ…強くするんだと思った傲慢…知ってしまった…力無く諦める事を…実際は自分より遥か彼方の尊い存在なのに…間違えていたんだ』


 そしてヒロが血の涙を流しながら…


『俺は辛い…信じるのが怖い…良かれと思って間違えるのが怖い…力無く諦めざる得ない事が怖い…そして…必要とされない事も知っている…そんな俺を壊せるか?

 愛する人を奪われ…長い間…色んな場所で…俺が出来なかった…愛する人に与える事が出来なかったものを見る絶望…この絶望する俺を壊してくれるか?』


『自宅で!ホテルで!野外で!学校で!NTRビデオレターは無かったけども!!何も信じられ無くなった俺を…さぁ!俺をぶっ壊してくれよ!?』


        『タツ!!!』





 違うよヒロ…それは違う…おかしいとは思うけど…本当に嫌だったら離れる…


 私は壊さないよ、だって…小さいヒロは泣いてるじゃないか…


 私のヒーロー…私を見守る暗殺者…私の好きな人…


 助けてって泣いているじゃないか…


 ヒロ、私がついているから…


 ずっと一緒…どこまでも…いつまでも…


 覚悟を持って前を向いた時に感じた…おぞましいモノ全てが…悲しんでいる…怖がらないでって…よく見ればそれは…幽霊や虫の様な形の…全て子供の時の…自分だった…

 

 おぞましいモノ達の中の小さいヒロを抱きしめた…違う…

 こんなに小さくて…こんなに悲しんでる…もう怖くないよ


『ようやく見てくれた…そう…怖くないんだよ…タツ…周りを見てみろ…怖くないんだよ…必要なのは勇気じゃないんだ…戦いでもない…言葉にできないもの…タツには伝わったみたい…とても嬉しい…』

『タツが言ってたな…姫騎士だっけ?タツなら出来るよ。全てを守る…さぁ俺を、俺達を越えて行け…ありがとう…タツ…俺を理解してくれて…』


 なんだろう…今なら分かる気がする。

 阿修羅の血筋で私だけが見る夢…


 阿修羅の血の本懐…遥か昔の私の絶望

 愛する人を悪戯に奪われ…奪い返す事が叶わず

 不条理に打ちのめされ…ただ破壊だけが目的となってしまった哀しい過去


 そうだ…取り返す、奪い合うのではない…

 

 殺さず滅さず哀しませず、全てを拾い佑け救い、路を開く

 下腹部が熱い…燃える、萌える、萠える

 感情が滾る、迸る、昂ぶる

 こころきらめきかがやきひびきわたりはるかにかけぬける


 ろく…即ち、それは…阿修羅寝取られし者の真の願い…奪いあう世界の…破壊ヒロとワタシ

 

 一緒に…ずっと一緒に…ヒロと一緒に…その為に…


※本当はタツ→ネコで一部でしたが長くなりましたので2部に分けました。これだけ見るとマジで訳分からない…今日の15時には更新します。すでに予約済みです。

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