それは新たな感覚だぜぇ!!

「はいどうぞ」

「あ、ありがとうございます……」


 俺は目の前に差し出されたお茶に目を向けた。

 今俺が居る場所はどうしたことか近所に住むエッチなお姉さん、近衛さんの住むマンションの一室だった。


「他に何か欲しいモノはある?」

「えっと……いや特にないっすね」

「そう? お菓子とかいっぱいあるから遠慮なく言ってね?」

「あ、はい」


 さて、どうして俺がこんな風に近衛さんに良くしてもらっているのか……その理由は数日前に遡る。

 絵夢とそれはもう楽しいことをした日の帰りに再会したお爺さんなのだが、なんと近衛さんの祖父ということが判明した。

 俺としては人を助けるっていう当たり前のことをしただけでそれっきりだと思っていただけに、まさかこうして近衛さんとの縁が生まれるとは思わなかった。


『真崎君というんじゃな。本当に助かったよ』


 そうお礼を伝えられながら、傍に居た近衛さんにも色々と説明をした。

 事故を起こしてしまったお爺さんだけど、もしも後少し病院に行くのが遅れていたら発作が悪化したかもしれなかったことを伝えられ、本当にあの時の俺はファインプレーをしたと自分自身を褒めてやりたい気分になった。


『私ね、本当に安心したんだ。だからお礼をさせて』


 いや別にお礼は要らないから……っとそう伝えたのにも関わらず俺がここにいる理由は一つ、だってエッチなお姉さんとお近づきになれるチャンスをわざわざ棒に振るわけにはいかないだろう。

 しかも近衛さんはいずれ俺が手を出すと決めたターゲットなのだからグッドタイミングというやつである。


(そうか。俺と近衛さんのキューピットはあのお爺ちゃんになるわけだ)


 であるならば感謝するぜお爺ちゃんありがとうよ!!


「……それにしても」


 俺はチラッと隣を見た。

 今現在の近衛さんのスタイルは下着の線が見えるくらいに薄いシャツとホットパンツというなんともエロティックな出で立ちだ。

 まあ外に出るつもりがないからこその姿らしいけど、流石にこれはエッチすぎてさっきから隠している俺の分身が凄いことになっている。


「どうしたんだい? おっぱいをそんなに見て」

「……………」


 おかしい、俺はかなり気を付けていたはずなのにバレていたぞ。

 ニヤリと笑っている姿はなんとも年上の余裕を感じさせ、どんなお願い事をしたとしても受け入れてくれそうな包容力も感じさせる。

 まあそうはいっても素の状態の彼女にそれを伝えたところで気持ち悪がられるのは分かっている……ということはあれしかないよなぁ!!


「……催眠!!」

「あ……」


 既に空いていた手にスマホは握っていたのだ俺に死角なし。

 催眠状態になった近衛さんはボーっとした様子で俺を見つめるだけになったが、流石に茉莉たちのように進んで何かをしてくれることはない。


「……良いねぇ悪くないねぇ」


 目の前でジッと命令を待つエッチなお姉さん……今まで俺が手を出した女の子はみんな同い年みたいなものだったのでこうして年上というのは初めてだ。

 催眠を掛けただけなら姉ちゃんも同じだけど、姉ちゃんに手を出すつもりはないし実際に出していないのでノーカンだ。


「というか姉ちゃんの体は年上って感じしないし」


 聞かれたらぶっ殺されてしまいそうなことを呟きつつ、俺は近衛さんのその大きな胸に手を伸ばそうとしたが一応の確認だ。


「ちなみに近衛さん、彼氏とか……」

「居ないよ。二年くらい前で最後かな」

「なるほど、なら大丈夫っすね。後何か困ってることとか、精神的に参っていることとかないっすか?」

「それもないね。毎日が順風満帆だ」


 あ、これはもう遠慮の必要はなさそうだ。

 ジッと見つめてくる近衛さんの胸に手を触れると、凄まじいほどの弾力と柔らかさが指に伝わってきた。

 まあ茉莉たちに感じるものとそこまで変化はないが、やはりお姉さんのお胸様ということでテンションが凄いことになっている。


「サイズはいくつなんです?」

「Iカップだよ」

「……わお」


 まさかの才華とフィリアと上回るカップ数だと!?

 カップ数というのは基本的に胸の大きさだけで決定するモノではないが、確かに微妙に才華たち以上の豊満さを感じ取ることが出来る。


「……ぅん」


 悩まし気な声を漏らす近衛さんだけど、本当に一つ一つの仕草が色っぽく次はどんな反応をしてくれるのかと気になって仕方ない。


「年上のお姉さんってやっぱり最高だな!」


 触るだけでなく思いっきり顔を埋めてみた。

 もはや俺にとって初めてでも懐かしくもないこの感触、だけどやっぱり人によって違うというのは良く分かる。


「よしよし、良い子だ」


 こんな変態なことをしている俺に対し、近衛さんは頭を撫でながらそんなことまで言ってくるじゃないか。

 何だろうこの感覚、もう甘えに甘えまくって良い気がしてくるぞ。


「近衛さん、裸になってくれ」

「分かった」


 近衛さんは躊躇することなく服を抜いた。

 ポロンと音を立てて揺れるかのように特大サイズのバストが現れ、俺は更にその光景に対して興奮を覚えた。

 直に触れると更に素晴らしい感触が伝わり、俺はもう頬がユルユルだった。


「……催眠アプリってのは本当に最高だなぁ。もう相棒が手放せねえぜ」

「催眠……アプリ?」


 ボソッと近衛さんが呟いた。

 このことは一切記憶に残らないので相棒のことを伝えたところで問題はないので隠す必要もない。

 さあもっと楽しむぞ、そう思っていた俺だったがそこで少し近衛さんの雰囲気が僅かに変わった気がした。


「真崎君、私にしてほしいことはなんだい?」

「え? ……あれ?」


 やり取りが出来ることは別に不思議なことではないけど、流石に茉莉たちは催眠をした最初の段階でこのような問いかけはなかった。

 俺はまさか催眠が切れているのでは、そんなことを思ったがスマホの画面は変わらずに機能しているため近衛さんは間違いなく催眠状態だ。


「……えっと……近衛さん? なんかノリノリじゃない?」

「ふふ、実は私こういうことに憧れていたのさ」

「こういうこと?」

「催眠状態になって好き勝手されることに」

「……………」


 あれ、なんか変な空気を醸し始めたぞ近衛さん……。

 それから色々と近衛さんは話してくれたのだが、なんでもよく妄想でこんな風に催眠状態に落ちて男性に好き勝手されることを好むらしい。

 それって絵夢の再来ではと思いもしたが、される相手も重要らしく酷いことをしない優しい人なら全然良いらしい。


「催眠アプリを使って悪戯をする奴って基本的に酷い奴しか居ないっすけど」

「おや、だとしたら君はどう説明するのかな?」

「いやいや、俺は酷い奴でしょ。こうやって好き勝手してるわけですし」

「そんなことないよ。祖父を助けてくれたこともそうだし何より、君の心は優しいんだって私に主張しているよ」

「……どういうことなんですかね」


 調子が狂う……狂うけど俺の手は近衛さんの胸から離れてくれない。

 ずっとモミモミ揉んでいた俺だったが、まさかの近衛さんが俺を押し倒した。


「っ……近衛さん?」

「私が色々とリードしてあげる。さあ真崎君、もっと遠慮なしに私にしてほしいことを言ってごらん?」

「……それじゃあ」


 なるほど、これが年上お姉さんの余裕というやつか。

 それから俺は今出来る限りのことを色々と提案し、その全てを近衛さんは微笑んでしてくれた。


「……あ~♪」


 元から近衛さんはこういうことが好きだったのか、或いはする機会があったのかと気になったけどそうではないらしく、彼女は自信を持って今のこの瞬間が最高のシチュエーションだから楽しんでいると語った。


「茉莉たちもそうだけど色んな良さがあるよなぁ。こんな風に過ごせるとか俺の人生バラ色過ぎるだろ」


 そんなことを言って笑った俺だったが、ある物を近衛さんは手にした。


「ねえ真崎君。もっと深いことをしてみる気はないかい? 君も興味あるでしょ?」

「……それは!」


 近衛さんが手にしているのは四角い箱、つまりアレだということだ。

 今まで俺はその禁忌に手を出すことなく、あくまでも彼女たちの初めてを奪うことは頑なに戒めてきた。

 けど……何故か目の前の女性が俺よりも年上で、リードしてあげるとまで言い出した人となるとその決意が一瞬にして崩れそうになる。


「俺は……」


 それからしばらくの時間が過ぎ、俺は自宅に戻ってボーっとしていた。

 結局俺は近衛さんの誘惑に耐えられず、催眠状態でありながらイキイキとしていた彼女に最後までリードされてしまった。

 クセになるというか色々と得難い経験をしたはず……だというのに。


「なんか新鮮さを感じなかったのは何だ?」


 もう一度してみたい、また相手をしてほしいと思えるがどうしてか俺はそんなことを考えていた。


「……でも相棒、やっぱりお前は最高だぜ」


 まあなんにしても、相棒が最高だということは改めて実感した。

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