第3-1 長い顔の友人の視点・
この手紙を破棄しようか、悩んでいる。
君はもういないから、捨ててもいいとは思うが。
はっきりと君を思い出すことができる。
いないのか?本当に?
手紙には君の、香りはしない。ペンのにおいだけだ。
面会の時、君はちゃんと私を見ていただろうか、
私の顔しか見てなかったのではないか。
私は、私の顔が嫌いだ。
どうして君は私の顔が好きだといったのだろう。
「好き」という言葉に、これほど苦しめられるとは。
君は、やっぱり「真の殺人者」ではない。
お前は、私が苦しむのを知っていたんだろう?
あいつはただ、私を
真の殺人者にしたかったのだ。
好きな人が、殺されると知っていても
淡々と、事務処理をしている私を。
であれば、私は彼の望みどおりになろう。
手紙をシュレッダーにかけた。
これで、君は死んだ。
さようなら。偽物の殺人鬼。
床、顔、囚人 Kqli @Kqli
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