第24話 内緒でデートしたい

選ばれなくても。

という言葉を受けながら俺は萌と別れてから帰宅した。

そして横になってから翌日を迎える。

丁度真横.....そこに。

何故か花苗が居た.....ほえ!?!?!


「か、かな.....」


真っ赤になりながら汗をかきながら俺は飛び起きる。

それから俺は花苗を見る。

花苗はスースーと寝息を立てて寝ている。

まさに美少女の寝姿と言えるかもしれないが。

俺は考えながら真っ赤に赤面する。


「.....」


花苗は無邪気に俺の元で寝ている。

俺はその姿を見ながら赤くなる。

そして無意識に.....唇を近付けていた。

のだがハッとして顔を上げる。

何やってんだ俺は.....。


「女の子の許可無しにキスをするなんざ最低だな」


俺は考えながら頷きつつ。

そのまま起き上がる。

のだが.....その体を起きているのか寝ているのか分からない花苗が抱き締めてきた。


俺は大暴れで、オイオイ、と思いながら抵抗する。

花苗の胸は小さいが.....それでも俺にとっては脅威すぎる。

あまりに脅威だ。


「むにゃむにゃ.....」


「花苗.....くぅ.....クソ!これでは.....!」


そんな感じで暴れながら俺は逃げるが。

花苗は必死に掴んでくる。

ヤバい!パンツが!

そんなやり取りをしていると花苗が目を覚ました。

それから俺を見てくる。


「.....や、やあ」


「.....?.....!!!!?」


目の前の俺の下半身を見てから。

びっくり仰天で真っ赤になりながら.....そのまま後退する。

そして壁に頭を打つけてから悶え苦しむ。

俺はパンツを直ぐに履きながら、大丈夫か、と聞く。

って大丈夫な訳無いわな。


「.....ちくわだった.....」


「.....言わんで良いから」


「.....ビックリした」


「.....まあそうだろうな.....」


俺達は真っ赤になりながら。

そのまま俯く。

すると花苗は意を決した様に顔を上げる。

それから俺を真っ直ぐに見てきた。

真っ直ぐに、というのは何かを決意した様に、だ。


「ねえ。隆っち」


「.....何だ?」


「キス、したんだよね。萌ちゃんと」


「ブッハ!!!!!」


何言ってんのアイツ!?、と思いながら慌てる俺。

すると花苗は、私とは?、と聞いてきた。

やっぱりそうなるか.....と一瞬思ったが。

そのまま俺達は見つめ合い。

花苗は赤いまま目を閉じてから顎を小さく上げる。


「.....」


その唇に。

俺はキスをした。

そしてそのまま花苗とキスをしたまま離す。


それから花苗を見ると。

花苗は真っ赤になっていたが.....それでも。

嬉しいのか涙を流し始めた。


「えへ、えへへ。嬉しい。とても嬉しい。嬉しすぎて爆発しそう」


「.....お前な。俺は恥ずかしいとしか言いようが無いぞ」


「.....えへへ。私だって恥ずかしいんだから。我慢して。っていうか好きな者同士通る道だよ誰でも」


「無いわー。付き合ってないのに」


「.....でもそれでも通る道だよ。好きだから」


言いながら花苗は八重歯を見せながら、にしし、と笑う。

俺はその姿を見ながら赤面する。

それから、全く、と思ってしまったが。

それでも.....、と思う。

すると花苗は、ねえ。隆っち、と向いてくる。


「.....何だ」


「.....私の今日の浴衣。.....どれが良いかな」


「?.....ああ。花火大会のか」


「そうだね。写真に撮ってきたから」


「そうなんだな」


それから写真を見せてもらう。

そこには全裸になっていて採寸している花苗の写真.....が。

何でこんなものが!!!!?

俺は真っ赤になりながら、か、花苗!間違えている!、とツッコミを入れる。

すると花苗も写真を見てから.....ボッと火が点いた様になった.....が。


「.....お、おっぱい.....小さいかな」


「.....は、は!?」


「.....だから胸!おっぱい小さい?.....よね」


「お前は何を言っている!?」


「身長も子供っぽいし.....その.....あ、あそこの毛だって.....」


コイツ何言ってんの!!!!?

俺は真っ赤になって心臓がドクンドクン鳴り始める。

心臓が高鳴りすぎてその写真を食いつく様に見る。

そうしないと心臓が口から飛び出そうだった。


「.....」


「.....わ、私ね。子供っぽい体が.....嫌いだしね」


「.....」


「.....え、えへへ。興奮する?」


俺は何とか気を取り戻した。

それからビシッと花苗の額を叩く。

女の子がこんな事をするな、と説教する。

その言葉に、御免なさい、と言うのかと思ったが。

花苗は泣き出した。


「.....だって.....萌ちゃんに対抗出来ない体だし.....子供っぽい.....し.....」


「.....」


「.....あそこの毛も生えてない.....おっぱいも小さい.....気になる。こんな体が嫌だし.....」


「.....ハァ.....」


俺は盛大に溜息を吐いてから。

そのまま俺はまた花苗をチョップした。

そして痛がる花苗を見ながら。

俺は、良い加減にしろ、と言う。


「俺はちっぱいもデカパイも好きだっての」


「.....本当に?」


ぐすんと泣き止んだ。

それから花苗は俺を見る。

そして、じゃあ私の裸で興奮する?、と聞いてくる。

あのな.....。

いや。


「.....興奮するに決まっているだろ。俺は男なんだぞ。女体は興奮する」


「.....!」


「.....萌と比べるな」


「.....分かった。そう言ってくれるんだね」


「ああ。ったくお前は。めっちゃ恥ずい」


コンプレックスだったんだな。

こんな子供みたいな体型が、だ。

俺は考えながら苦笑しつつ。

えへへ、とはにかむ花苗、彼女を見た。

そして花苗は、じゃあ本題に戻るね、と写真を見せる。


「.....青の浴衣と.....赤.....と緑。どれが良いかな」


「お前のトレードマークは青かもしれない。だけど.....赤が良い。俺は」


「そ、そう!?じゃあ赤にする!」


「.....花苗」


「.....何?」


お前の体型.....気にするな、と言う。

そして、胸の大きさとか比べなくて良いから、とも。

すると花苗は目をパチクリしてから、そうだね、と笑顔を浮かべた。

そうしてから立ち上がる。


「.....うん。もう大丈夫だ」


「.....何がだ?」


「私の悩み。.....うっかりだったけど。.....でも良かった」


「.....恥ずかしくて仕方が無いけどな。俺は」


「うん。私だって恥ずいよ。流石に」


俺達はクスクスと笑いながら。

そのまま見つめ合う。

うん?そういえばコイツは.....何しに来たんだ?

俺は思いながら花苗を見る。


「花苗。聞きそびれていたがお前さん何しに来たんだ?今日は」


「あ、私?私は.....そうだね。.....ねえ。隆っち」


「.....?」


「内緒で2人きりでお家デートしたい」


「.....!」


俺は真っ赤になりながらその顔を見る。

赤面しながら俺を見てくる花苗。

その姿にクラクラしてきた。

ヤバい.....何で花苗にこんな気持ちが.....!?

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