第15話 王様ゲームと告白と
勉強会が始まった。
俺は美穂と一緒にそして萌と花苗と一緒に問題を解き始める。
それから一生懸命、俯いてしていると萌が俺に紙を渡してきた。
俺は?を浮かべてそれを開けてみる。
そこにはこう書かれていた。
(私ってどんな髪型が似合うと思う?)
俺は目をパチクリして顔を上げると。
そこには髪の毛を触る萌が。
イジイジしながら俺をチラチラ赤くなって見てくる。
その姿に少しだけ赤面しながら、お前なら何でも似合うから。真面目に勉強しろ、と返事を書いた。
それから紙を床下から渡す。
その言葉を見た萌はガッツポーズをしてから笑顔を浮かべた。
そして紙をまた渡してくる。
(じゃあ何でも良いの?ボブでも似合うかな)
その言葉に俺は、そうだな。お前なら何でも似合うよ、と書いてからまた床下から回して渡した。
萌は笑みを浮かべる。
それからまた紙を渡して.....オイ。
いや勉強しろ。
(じゃあボブにする)
すると、コソコソ何やっているのかなぁ?、と声がした。
横を見るといつの間にかこっちを見ている花苗と目が合う。
美穂も苦笑しながら見ていた。
俺達は、何でもない、と言いながら否定する。
「そんな事無いと思う。私だけ置いて.....ぶー。隆っちのあほ」
「拗ねるなって。ゴメンゴメン」
「何の話だったんですか?」
「髪型を変えるの。今度だけど.....それでその話をしてたの」
「あ。それ良いですね。私も変えてみようかな」
するとそれが休息の合図になった。
みんな各々、自らの髪型の話をし始める。
俺はその姿を苦笑気味に見ながらコップを持って立ち上がる。
取り敢えずおかわりかな、と思いながら。
「隆。何処行くの?」
「ああ。飲み物のおかわり。お前も要るか」
「そだねぇ。じゃあ貰おうかな」
「了解」
俺はコップを受け取ってからそのままジュースを入れる為に台所に向かう。
すると、隆っち、と花苗がやって来る。
ニコニコしながら子供の様に無邪気な感じで、だ。
八重歯を見せてくる。
「おう。どうした」
「私はどういう髪型が似合いそう?」
「.....お前?お前の場合は.....そうだな。ポニテじゃない短髪でも似合いそうだな」
「おけ。じゃあ今度は短髪にしようかな」
「何でお前も萌もそんな髪型に拘るんだ」
「.....内緒。それは乙女に聞いちゃダメだよ」
そのまま駆け出して行く花苗。
意味が全く分からん。
俺は考えながらジュースを入れてからそのまま戻る。
萌に渡してからそのまま腰掛ける。
「じゃあ勉強の続きするか?」
「ぶぇ。飽きたよー」
「そうですね。私も」
「私もー」
飽きるな。
俺は考えながら顔を引き攣らせる。
全くコイツらは、と思いながら。
すると、あ。じゃあ4人居るし王様ゲームしよう!、と立ち上がる花苗。
王様ゲームだ?あれって確か恋人同士がやるもんだろ。
「王様ゲーム.....良いかもですね」
「そうだね!」
「.....全くお前らは。で。誰が王様になるんだ」
「それはくじを引かないと」
ニヤニヤする花苗。
怪しいんだが。
それから休憩がてら花苗が赤く色を付けた割り箸で王様ゲームが始まった。
それぞれ番号を引く。
最初の王様は.....萌だった。
「じゃあ2番と3番が見つめあって好きなものを話す」
「オイ。いきなり過激過ぎるだろ」
「エヘヘ。それぐらいしないと楽しく無いかなって」
「.....に、2番は私だけど.....」
「3番は俺だが」
花苗はニコニコして興奮しながら俺を見てくる。
どういう事や、と思いながら花苗を見る。
そして花苗は俺の前に座ってから笑顔を浮かべる。
無邪気そうな笑顔を、だが。
何だコイツ何でこんなに喜んでいる?
「た、隆っち。好きなものは何」
「.....俺か?俺は.....まあ甘いものなら何でも」
「そうなんだね.....メモメモ」
「.....?」
俺は?を浮かべながら見ていると。
じゃあ次は私の番だね。
私が好きなものは.....、と言ってから。
そのまま赤面する花苗。
俺は?を浮かべながら見つめて答えを待つが。
割り込んで来た萌に阻止された。
「ブッブー。はい時間切れぇ」
「萌ちゃん!?私まだ答えてない!」
「何だか腹立つからダメェ」
「もー!!!!!」
何だかこの王様ゲーム過激じゃね?
俺は目線だけで美穂を見ると。
美穂はクスクスと笑って見ていた。
柔和な感じで母親の様に。
「次行くよ!もう!」
「ぶー」
「.....次の王様は.....」
「.....俺だな」
赤い印が出た。
つまり王様は俺だな、と思うが。
どうしたものかな、と思いながら顎に手を添える。
3人はお手を待つ様な犬の様な感じを見せて待っていた。
「じゃあ3番と4番が.....そうだな。将来なりたいものを語る」
「.....私だね」
「それから私?」
美穂と萌だ。
俺は目を丸くしながら美穂を見る。
そういや何だか将来の夢って気になるな。
美穂の将来の夢。
「.....私は将来は結婚プランナーになりたいです」
「え?それって良い夢だね!」
「それ良いじゃん!」
「へえ。意外だな。お前はそんな夢があるのか」
「はい。.....私は.....結婚式が幸せの象徴だって思ってます」
成程な、と思いながら美穂を見る。
すると今度は萌が、じゃあ今度は私だね。私は.....うん。
と何かを決意して立ち上がる。
それから俺を見てから胸に手を添える。
俺は???を浮かべながら、美穂さんがそう言うなら、と言い出し。
そして俺を真っ直ぐに見てきた。
な、何でしょう?
「隆と将来結婚したい」
「.....は.....?」
「え!?」
「!?」
「.....隆の事が好きです」
ゴメン。
数秒理解が出来なかった。
そして理解してから俺は愕然として赤面する。
何.....!?、と思いながら。
萌は赤くなりながら俺を見てくる。
「.....隆に告白するつもりだったしね。今日は。もうバレ始めているんじゃ無いかなって。丁度良いタイミングじゃないかな」
「.....嘘だろお前.....」
「嘘じゃないよ。私は.....」
そこまで言うと。
花苗がいきなり箸を殴り捨て.....というか投げ捨てた。
それから、いきなりそんな事を.....私だって隆っちが好き!!!!!、と絶叫する。
まさかの事態に、ファ?!、と声を上げる俺。
そして真っ赤になったまま俺を見てから萌を見た花苗。
「ちょ、ちょっと待てお前ら!?ウェ!?王様ゲームは!?」
殺すよ?そんなものどうだって良いよ、と萌は俺を見てからバチバチと花苗と火花を散らし始める。
美穂も赤くなってその状況を見ていた.....ってか!何でそうなる!?
え!?コイツら俺が好きなのか!?
萌も花苗も軽く流したけど!!!!!
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