夏休みにプール

第8話 クラス仲間という存在

俺はかつて幼馴染を病気で亡くした。

それは.....俺にとってはかなりの衝撃であり。

そして悲しみであった。

俺はその中で.....沢山の人達に出会って来たのだが。

その中でも俺に触れ合ってくれたのが.....萌と花苗だった。


高校でもあまり上手く人に馴染めなかったのだが。

2人はその中でずっとサポートしてくれた。

ただ感謝しかないと思う。

俺は考えながら学校に登校して萌と話していた。


「プールに行かない?」


「.....えー.....嫌だぞ俺は。人が多過ぎるのは嫌だ。今は蒸し暑いし」


「ぷー。そんな事言ったら何処にも行かなくなるじゃん。隆は」


「まあ確かにな。でもそれが俺だ。了解してくれ」


「隆のひねくれ者。ぶー」


俺はその言葉に胸を張りながら、別にそれでも構わん、と答える。

すると.....教室のドアが開いてから。

奴が戻って来た。


その奴とは萌の友人である。

名前を鳥山遊(とりやまゆう)という女の子だ。

今一つ謎が多い女の子なんだよなぁ.....。

鳥山自体が、だ。

花苗にも友人が居るが.....。


「萌ちゃん何を話しているの」


「遊ちゃん。えっとね。みんなでプールに行かない?って話だよ」


「じゃあ私も行く」


「え!?珍しくない!?」


「何。私が行ったらおかしいの萌ちゃん」


そんな鳥山の容姿。

昔の紫式部の様な髪型をしている。

それから眼鏡を掛けており。


クール系の美少女と言える様な感じの女の子だ。

美少女といえるが.....。

俺はそんな鳥山に、お前珍しいな、と声を掛ける。


「そうね。私は萌ちゃんの味方だしね。.....君に何かされても嫌だし」


「もー!!!!!いやいや。そんな事無いって!」


「.....ハハハ.....」


マジな目をするから怖いんですけど。

俺は苦笑して思いながら鳥山を見てみる。

すると奥から、おやおや?もしかしてプールに行くのか?、と声がした。


それは低学年の子供の様な容姿の鳥居拝(とりいおがみ)だ。

短髪のボブ。

そして八重歯が特徴的で.....本当に子供の様な甘ったるい声をしている。

髪の毛をさくらんぼの髪留めで結んでいるしな。

俺はその姿を見ながら苦笑した。


「私も友人としてプールに行きたいぞ」


「俺とお前は友人じゃ無いぞ。いつの間にそうなった」


「えぇ!!!!?」


「いや.....俺は友人作らないって言ったろ.....」


「そんな事言うなぁ.....」


うるうると目を涙を溜めてグスグスと泣き始める鳥居。

いや.....そんな泣き真似をして.....、と思ったのだが。

周りを見るとジト目になっていた。


一番ヤバかったのは鳥山である。

さ、流石はクラス委員。

は?殺すぞ、的な目をしていた。

オイオイ。


「分かった!俺とお前は友人だ!御免なさい!!!!!」


「だよねぇ!アハハ」


「お前コラァ!!!!!満面の笑顔を向けるんじゃねぇ!」


何というか。

これまで言い忘れたが鳥居は.....俺の学校での心の支えの1となっている。

無理やり首を突っ込んで来たのだが、だ。

何というか本当に無理矢理だが.....仲良くなった。


『君って頭良いんだな!?教えて勉強!!!!!』


そんな感じであるのだが。

そうだな.....まるで花苗の様な感じだ。

でも花苗よりも若々しくて子供の様な感じだが。

そうだな.....小学校低学年の様な。

そんな感じにも近い。


「私って嘘泣き得意だよねぇ」


「そうだね」


「だな.....」


「.....お前ら。全てグルだった?もしかして」


「気のせいだ」


てへぺろ、的な感じを見せる鳥居。

いやいやコイツら最低だな!!!!!

俺は思いながら絶句したが。

それでもまあ、と思いながら3人を見る。

良い奴らだよな、と思いつつ。


「でもまあ冗談はさておき。私も連れてってくれないかな」


「分かった。お前が言うなら仕方が無い」


「有難う!愛してるよ!この身を捧げても良いぐらいに!」


「馬鹿言え。俺はお前の体型なんぞ興味は無い」


「え?ロリコンじゃ無いのか?」


「お前コラァ!!!!!」


私は胸とか無いから良いんじゃない?

そういうの、と言ってくる.....コラァ!!!!!

俺は真っ赤になりながら見る。


確かにそうだが.....。

身長もロリだしな、うん。

まさに最悪な奴らが喜びそうだ。


「わー.....最低」


「赤くなっているな.....」


「外道だねぇ」


「良いたか放題言うんじゃねぇ!!!!!」


コイツら全員まとめてぶっ飛ばそうか!

というか特に鳥居が最悪だ!

コイツめ!こんな感じだったとは!

俺は思いながら真っ赤のまま小馬鹿にしてくる鳥居達を見た。

すると次の時間の教師が入って来る。


「おっしお前ら。授業すっぞ」


「あ。やばい。じゃあね」


「そうだねぇ」


「じゃあ」


それから戻って行く3人を見ながら、全く、と思ったが。

楽しくなりそうだな、と思いながら。

そして夏休みに花苗と花苗の友人と共にプールに行く事が確定した。


取り敢えずは、楽しみだ、とは言えるが。

5人共に女子ばっかだな。

どうしたものか、だが.....。

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